| AMM | - 2026/05/27
- AMM “The Crypt” Matchless records MR-5 (UK)
1968年の2枚組ボックス・セットである。 彼らの音楽は今となってはフリー・インプロヴィゼーションとかノイズ等とされているが、私が当時、新譜として購入した時は、特定のジャズの店にしか売っていなかったと記憶している、すなわちフリージャズの範疇であったのだ。 キース・ロウ、エディ・プレヴォスト、ルー・ゲイルの3人は、ロンドンで集団即興グループを立ち上げ、やがてコーネリアス・カーデューを加えた。 最初の3人が元々ジャズの演奏者であったという経歴の理由にもよる。
しかし、聴けば彼らの音楽からはジャズの要素は消えている。 実にユニークな演奏である。まして1960年代後半にいくら進歩的であっては、このようなスタイルは無かったのである。私なども相当混乱して聴き入ったのである。
しかし、圧巻のサウンドに驚愕したのである。 そして基本的にアコースティックの楽器、物による演奏なのであったのは更に驚異的であった。いくらジャズが変化する音楽ジャンルだと言われても、ついにジャズもここまで来たのかと考えさせられたのである。
それほど、凄まじいまでのサウンドの嵐。 そして音楽として古来より持っている心地良さ。 音としての可能性と未来性が強く聞く者に働きかける。 作品は徹底した音の表現によるものであり、自身に満ちており、聴き手にも没頭する事を要求しているのである。
それにポップ調のジャケットも素敵で、当時流行っていたリキテンシュタインのデザインかと一人合点したのであるが、それは違っていた。
私はこの作品を聴いていると、ジャンルは異なるがピンク・フロイドの『狂気(The Dark Side of the Moon)』を思い出してしまう。こちらは、1973年の作品だが、何よりも「音楽は音である」という強い怨念を感じるのである。彼らがAMMの影響があったかどうかは知らないが、「音」の追求においては同じ考え方が根底にあるような気がする。 どちらも音質として別格のサウンドを作り上げている。単に高音質と言うのではなく、音の純粋性が追求されているのである。 どちらも20世紀における大傑作であった。
レコードは面白い!
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