HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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BARNEY KESSEL “ON FIRE”
2020/06/05

BARNEY KESSEL “ON FIRE” EMERALD 1201 (USA)

今回のアルバムはステレオ盤である。
ステレオ盤は低音部とドラムの音がくっきり出ていて良い音質である。

さて、ケッセルは戦時中から活躍しているギタリストで、VERVE系などに多数の録音、そしてCONTEMPORARYにも多数の録音に参加し、またリーダー作も残している。
ジャズ界にあって、ひときわ高い上手さが多くの仕事に繋がったのであろう。
50年代にはCONTEMPORARYレーベルでウエストコーストジャズの中心的な存在で、To swing or not to swing、Carmen、Some like it hot、Poll Winnersなどヒット作が多い。
その名作群の中にあって、この作品もまた 名作たる超が付く立派な作品なのである。
1965年、ロサンゼルスのクラズ「PJ‘S」でのライブ録音である。
この時のレコードを作ったのがフィル・スペクターである。
当時のアメリカにおけるポップス・ミュージックの象徴的な人物であり、当時ヒット作のかなりの部分に及んでいる時代の寵児である。
そのフィル・スペクターがスタジオの仕事に置いて相当気に入っていたのがケッセルであった。
当時、ジャズ・プレイヤーの多くはポップスの仕事にも関りがあった。
特に西海岸においてはかなりのジャズ・プレイヤーがポップスに行ってしまった事もある。
その後、ロックになってはっきりと分業になるのだが、ポップスとジャズと非常に近いものであったと言う事である。

さて、65年の夏、ロック系のベースJerry Scheff (bass)とFrankie Capp (ds)との顔合わせである。
それなのに、ケッセルのノリもスイングも文句無しで、上手くジャズになっている。
私はこれほどの良いギターの演奏があろうかと心が躍る。
70歳過ぎた今の時々聴く、聴けばたちまち青春に立ち戻る。
これほどの傑作にもかかわらず、それがはっきりとしてない録音日であるが、それはケッセルが多忙であり、またスペクターもまたポップスにおいて多忙であったという証拠でもある。

ただ、ケッセルとしては65年ころジャズのリーダー作は無く、従って、ライブ録音が特に楽しかったのではなかろうか。
嬉しくてたまらない様子が伝わってくる。
こんな良い作品がポップスのフィル・スペクターのところから出されているのも、私は本当に嬉しい。
昔のポップス漬けの10代の頃を思い出し、ジャズとポップスの関係に今更ながらとても不思議な気持ちにさせられる。

ブルーインパルス
2020/05/29

今回の新型ウイルス感染により医療関係者に感謝の気持ちを込めて、新宿の上空を1時頃ブルーインパルスが飛んだ。

飛ぶことは知っていたのだが、家内に言うのを忘れ、その時間は私はクルマの運転中であった。
家内が外に出たら、みんなが陸橋の上に居て 空を見上げているから どうしたのかと思ったらしいが、そのまま素通りしてしまったらしい。
後で、私にこの話を聞いて、何故教えてくれなかったと立腹している。

ついでに、ブルーインパルスを見に連れて行けと迫られてしまった。
こんな時だからショーは無い。
私も見たかった。

コロナ感染予防自粛解除
2020/05/27

新型ウイルス感染予防自粛が昨日から解除となっております。

当店におきまして、店内の販売体制が整っていないため、今週いっぱい5月31日まで休業といたします。

来週の日曜日、6月1日から開店となります。
なお、閉店時間は20時といたします。

よろしくお願い致します。
            店主

Louis Armstrong “ And His Friends”
2020/05/23

Louis Armstrong “ And His Friends” PHILIPS 63690401 (France)
オリジナルはFrying Dutchmanレーベルであるが、ほぼ同時期にヨーロッパ各国で発売されており、音質も良好なのでこれで良しとする。
このアルバムの良い所を上げると、特に2つの曲によるところが大である。
まず、冒頭に歌う「We Shall over come」そして「What A Wonderful World」。
We Shall over comeは何と言っても黒人の唄、60年からの公民権運動のプロテストソングである。
サッチモはあの当時、白人に媚びを売ったヤツと言われた事もあったが、そんな小さな男では無かった、という証のような気にさせて呉れる演奏である。
We Shall over comeは、ピート・シーガー、ジョーン・バエズなど多くの反戦運動家などによって歌われたが、こうしてサッチモの唄を聴くと、音楽の気合、心意気が違う。なによりサッチモが歌ったことに意味がある。

そして一曲おいてWhat A Wonderful World。
他のレコードでもこの曲が発売されていたが、このレコードに入っているのはちょっとバージョンが違っていて、イントロに彼の語りが入っていて、それが私のお気に入り。
ゆったりストリングスが流れて来ると、子供たちに語りかけるかのような、ゆっくりと話し始める。
最初にヘイ・ポップ、と呼びかける所があるが、ポップスとはサッチモの事。
「若い人たちに、素晴しい世界って何?と聞かれるけど.....。」
何があっても、どういう世界でもそれでも世界は素晴らしい世界なんだと語り、そして歌が始まる。
このバージョンだけはいつ聴いても、私は胸の内がジーンとなる。

このレコードは彼の70歳の誕生日の為の企画であったようだが、話によると健康的にも衰えが目立ってきており、医師は賛成しなかったようだが決行された。
パーティー形式で多くのジャズメンが集まった。写真にはマイルスやオーネットコールマンなども写っている。健康上の心配といいながらタバコをくわえている所は、なぜか安心させられる。
サッチモはこのアルバムでは、トランペットはワンフレーズも吹いておらず、すべて歌である。
枯れた味わいがいかに素晴らしいかここで篤とお聴きいただきたい。最初から最後まで。
素晴らしい彼の人生と音楽が伝わり、耳を傾けた人々にも、己の人生の素晴らしさを思い起させるような、言い聞かせるような力がある。
特にこの「What A Wonderful World」は人生の集大成、もろ手を挙げて賛同し、ケチをつけるところなど一つもない。難しいジャズばかりが芸術じゃない、心に響くジャズが音楽としてもっとも大切なのだ。
サッチモは本当に音楽家であったし、本当にジャズマンであった。

健康上の問題があったといえ1970年のこの時のディスコグラフィーを調べてみた。
5月26日 フィラデルフィアのTVショー
      ニューヨークでこのアルバムの録音4曲
5月27日 フィラデルフィアのTVショー
      ニューヨークでこのアルバムの録音3曲
5月28日 フィラデルフィアのTVショー
5月29日 フィラデルフィアのTVショー
      ニューヨークでこのアルバムの録音4曲
録音はすべてこのアルバムの為だと思われるが、一体どういうタフな身体であろうか?
死ぬ71年の春まで、TV出演など非常にタフなハードスケジュールである。
本当に毎日ニューヨークとフィラデルフィアを移動していたのであろうか......。

一応、歌詞を下に載せた。
"Some of you young folks been saying to me," Hey Pops, what you mean 'What a wonderful world'?
How about all them wars all over the place? You call them wonderful?
And how about hunger and pollution? That ain't so wonderful either."
Well how about listening to old Pops for a minute. Seems to me, it aint the world that's so bad but what we're doin' to it.
And all I'm saying is, see, what a wonderful world it would be if only we'd give it a chance. Love baby, love. That's the secret, yeah. If lots more of us loved each other, we'd solve lots more problems. And then this world would be better.
That's wha' ol' Pops keeps saying."

I see trees of green, red roses too
I see them bloom, for me and you
And I think to myself
What a wonderful world

I see skies of blue, and clouds of white
The bright blessed day, dark sacred night
And I think to myself
What a wonderful world

The colors of the rainbow, so pretty in the sky
Are also on the faces, of people going by
I see friends shaking hands, sayin', "How do you do?"
They're really sayin', "I love you"

I hear babies cryin', I watch them grow
They'll learn much more, than I'll ever know
And I think to myself
What a wonderful world

Yes, I think to myself
What a wonderful world
Oh yeah!

詩を読みながら、youtube聴きながら。
(youtubeにちょっとコマーシャルが多くてイラっとしないわけではないが、そこは我慢ということで)

http://www.youtube.com/watch?v=2nGKqH26xlg

木枯し紋次郎
2020/05/22

ここの所、CSで見る番組で、一番のお気に入りは「木枯し紋次郎」。
大いに気に入っている。

時代劇チャンネルは仲代達也シリーズを押しているようだが、私は演技のしつこさ、顔のクドさがちょっと苦手で、見ている内に飽きてしまう。
黒沢の映画にもよく出ていたのだが、きっと彼は時代劇の人では無いのだろうと思う。

それで、紋次郎。
当時は気が付かなかったのだが、時代劇にしてはちょっと毛色が変わっている。
それはまず、殺陣が全く異なっている事。
私が気に入っている中で言うと、「暴れん坊将軍」などは洗練された刀捌き、「剣客商売」などもその典型でさっさと切って、切合いを早めに終える所にあるのだが、紋次郎は走って逃げる、追いかける、のたうち回る、倒れながら切る、いや差す、相手の首根っこを捕まえて、わざわざ差し殺す。
やくざ剣法が、見ている内に面白く病み付きになる。
やくざ映画にしても、よくぞ、考え出したものである。

所が家内などは、それが残酷だと嫌がるのだが、それはそれ、好き不好きである。
あっしには関りのねーこって、と言いながら、人情やら義理やらの渦に巻き込まれて、最後は切り合いになってしまうのが話ではあるが、どこまでも人は空しいと言わせる所が良い。
今思うと、渡世人とやくざ一家は異なる事を教えてくれた、番組だったのかもしれない。

ドラマは長い間、何年も続いていたと思いきや、意外に短く72年と73年の、野球中継のない冬の間だけだったんだね。
上條恒彦の主題歌も良かった。

当時の子供たちが親に楊枝を作ってもらい、口にくわえて「あっしにや関りのねえことでござんす」とやっていたのを思い出す。



マスク
2020/05/20

国から支給されるはずのマスク、通称「アベノマスク」。
まだ、届かない。
そろそろ、自粛も解除になりそうな感じ。

マスクは国から届く前に、最近はあちこちのドラックストアで入手可能になった。
また。店頭にマスクがあったとしても99.5パーセントのウイルス対応と記載がないものだと、何日も売れ残っていることもある。

政策としては悪くなかったが、スピードがちょっとゆっくり過ぎたかも。

営業案内
2020/05/17

前月から引続き、5月いっぱい店舗を「閉店」させていただきます。

(但し、郵便物や荷物の受け取りなどで、留守番がいる事もあります。
買物として入店は不可能です、但し、取置きレコードのピックアップには対応可能です。その場合は 必ず事前に電話で確認を頂ければ間違いないと思います。)


よろしくお願い致します。

GEORGE RUSSELL “EZZ-THETICS”
2020/05/13

GEORGE RUSSELL “EZZ-THETICS” RIVERSIDE RLP375 (USA)

久々に入荷したので、当店のデータを調べてみたら、なんと モノ盤でオリジナルの美品は一度しか売っていなかった。ステレオ盤やカット盤、それにオランダ盤を売っていた事になる。モノ盤の美品は珍しいのだな。
開店当時は私の個人コレクションを売ったのでが、それが当店の歴史の中においても、これまでで最も綺麗なものだったとは。
こんな事もあるものだ。

これは1961年5の録音である。
Eric Dolphyの参加がこのアルバムの価値をぐっと押し上げた事は言うまでもない。
冒頭のEZZ-THETICS からB面の最後のROUND MIDNIGHTまで息をつかせぬ緊張感ある演奏が繰り広げられる。スティーヴ・スワローが昔の名前Stephen Swallowとなっているのも嬉しい。

ドルフィーや、何やらの演奏を絶賛する言葉は、多くの冊子やリスナーのブログにゴマンと書かれているので今更、私は遠慮する。
ところで、タイトルのEZZ-THETICSとはどういう意味かというと、これはエザード・チャールズ(Ezzard Charles)という戦後のアメリカのヘビー級チャンピョンのボクサーから取ったもので、ラッセルの造語である。
EZZ主義、とかEZZ一番とでも言うようなところであろうか。
どうもシンシナティ出身の黒人ボクサーであったらしいのだが、ラッセルもまたシンシナティ出身で肩入れがあったようである。
しかもラッセルは父親が白人だが母親は黒人であったので、かなり苦労をしたらしい。
そんなところから格別な思いがあったかもしれない。
私など、ラッセルがずっと白人だと思い込んでいて、黒人好きな白人で変わり者だと思っていたのだが、そんな簡単な事では無かった。

ラッセルは64年から数年間、スエーデンから招待され、ジャズ音楽のための指導者として招かれた。
またその後、或いは同時にノルウェーでも音楽の指導者として望まれ、多大な成果を収めることになる。
そこでその後有名になる若いミュージシャン、サックスのJan Garbarek、ギタリストのTerje RypdalやドラマーのJon Christensenなどを育たったのである。
それが、現在における世界のジャズの中心地となってしまったスカンディナビア、そのジャズの原点とも言える火付け役になったのである。
思えば、なんという遠大な計画を実行したのであろうか。

彼の音楽理論・Lydian Chromatic Concept of Tonal Organization。まさに単語を並べて長くて面倒だ。
Flying-Dutchmanのアルバム、Electronic Sonata for Souls Loved by Nature、これも長い。
きっと詩人だったのだろう。言葉を長くする詩人とは珍しいが......
それより何より、彼がアメリカの黒人音楽としてノルウエーに紹介したジャズメンWebster Lewis による71年のライブ・アルバムがあるのだが、これがまた長い。ジュゲムジュゲムのような...
「Webster Lewis And The Post-Pop Space-Rock Be-Bop Gospel Tabernacle Chorus And Orchestra」
というタイトルの長さもまた、ラッセルの影響であろうか。
と思うと私は愉快でならない。
ラッセルさんは凄かった。

(写真の色が蛍光灯の光が入り込んで、とても青くなってしまった。本来はバックは黒い色である、残念)

急に夏になる
2020/05/13

一昨日から、日中の温度が急に30度になった。
それで、外出の時に被る帽子を探したら、見つからない。

よく考えてみたら....
そう言えば、去年の夏の終わりに、この帽子も汗でダメになったりしたら捨てようという事になり、処分してしまったのだった。
夏が来る前に、銀座のトラヤに帽子を買いに行こうと決めていたんだった。

と腰を上げようとしたのだが、トラヤもコロナ感染防止で休業中。
ここの所、急に暑くなったので着る物やら靴下、下着、靴など買いに行きたいのだが全く手に入らない。
文房具なども同様である。
ちょっとイラっとした。

まるで戦争中のような状況になっていたんだな。
戦時中は、これがお金も無くて、5年も続いていたのだ。
更に、思想統制もあって、命も強制で差し出していた。
しかし、昔の人たちはよく我慢したんだね。

我々は我慢が足らないなあ。

レコード・ジャケット用 額
2020/05/12

LPレコード・ジャケットを飾る額。

ユニオンで販売されていたもの
サイズ 316mm X 316mm
ガラス付き
色 白木
当時の定価は1,833円(税別)
未使用のもの

さらに、額に飾るための「マット」を別注で額屋に頼んで作ったもの。
マットは取り外し可能。

今回の価格
  1個 ¥1,500円(税込み)



複数の注文可能!
送料別途かかります。
(例 ヤマトで、南東北から中部まで 979円)



(まだ、一つくらい残っています)
 

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