HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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We shall overcome
2019/11/06

Louis Armstrongのアルバムを聴いていたら、We shall overcomeを歌っていた。
この歌は、アメリカにおける黒人の公民権運動のテーマソングであった。
今もどうなのか知らない。

これはゴスペルとして1900年頃から歌われていたもので、ずっとプロテストソングであった。
1960年代にジョーン・バエズなどフォークシンガー達が歌ってアメリカのみならず世界中に広まったのだが、それに影響された日本では、やっぱりフォークシンガーが歌ったものの、反戦平和運動の主題歌になってしまったが、本来の使用目的がちょっとだけズレた気もする。
まあ、日本らしい話である。

さて、一方白人たちのテーマソングはなんだったのだろう。
それは、You are my sunshine
作曲がジミーデイビスという元カントリー歌手で1960年ルイジアナ州知事選で人種差別の為に戦って政治家になった人なのである。
はっきり言うと人種差別を促進するために戦った。
都合の良いように解釈しない事。
日本では戦後、明るいイメージを持って勇気づけられる歌だと思われるのだが、これもどうかなあ。
しかし、アメリカという国は面白い国で、こんな歌を黒人のレイチャールズが歌ったりするのだから。
まあ、そういうものでもある。

https://www.youtube.com/watch?v=Ti9F-c5t4YY

ラジオを聴いていて
2019/11/04

朝、文化放送を聴いていたら、昭和11年の3大事件を知ってますか?だと。
耳を澄ませて聞き入ると
226事件。なるほどね。
阿部定事件。あっ、そうか。
最後の一つは、上野動物園クロヒョウ脱走事件だそうだ。ガックリ。
ガックリはしたが、当時の新聞でも皆3大事件として扱ったという。
当時は豹イコール獰猛な人食いだと思われていたようだ。
因みに豹は殺される事無く、無事にオリに入ったと言う。

しかし、面白かった。
流石に、私も生まれる前の事は知らないナア。

BUD POWELL “JAZZ ORIGINAL”
2019/11/03

BUD POWELL “JAZZ ORIGINAL” COLUMBIA 33CX10069 (UK)

珍盤入荷。
英国ながらテスト・プレスでしかも片面のみプレスでA面・B面で計2枚入っているというわけ。
ラベルは白いColumbia社内用ラベルで、盤にはMGN1017-A などとオリジナルの番号を打ってある。
ジャケは英国なのでいわゆるペラ・ジャケである。

元の原盤は1955年、米国Norgranの1017番である。
それが英国コロンビアで発売契約があったので、まずはテスト盤を制作したのである。
それも片面づつプレスして試聴したのである。
イギリスによく見られるプレスの方法で、丁寧に音を確かめようとするところはレコード好きなイギリス人だなあと思ってしまう。
マニアックで嬉しくなってしまう仕事ぶりである。

音楽は54年から55年にNorgranレーベルに録音したものをまとめ上げたもので、54年が Percy Heath (b) Max Roach (ds)とのトリオで、55年がLloyd Trotman(b) Art Blakey (ds)とのトリオで約半々となっている。  B面冒頭の得も知れぬ美しさと脆さを感じさせる曲、Like Someone In Loveは54年録音の時であるが、なぜかソロで演っている。
更にSomeone To Watch Over MeとTenderlyはベースとのみで、ブレイキーはドラム・ホリディとなっているのが不思議である。

この頃はバドも好調な時期でVerve系に沢山録音を残していて良い時期でもある。
当アルバムのテスト・プレスの音質はハイファイの実に良い音質で、聴いていて自然な音質に感心した。
実にコレクターズ・アイテムである。

ASTRUD GILBERTO “CANTA IN ITALIANO”
2019/11/02

ASTRUD GILBERTO “CANTA IN ITALIANO” VERVE SVLP52015 (ITALY)

VerveでもイタリアのVerveという所が興味深い、しかも、イタリアの実の発売だというからソソられる。
しかも、これほど楽しいボサノバのアルバムも他に無く、しかも久しぶりの入荷である。
アストラッド・ジルベルトは、アメリカでスタン・ゲッツとVerveからリリースされたアルバムが大ヒットし、世界中でも大ヒットとなりボサノバ・ブームが起こり、日本にも波が来た。
あれは真さに新しい音楽のジャンルが生まれ、世界に伝播して行った歴史的な大事件だった。
当時はアストラッドとジョアンの離婚が何故か印象に残っていて、他の芸能人ならまだしも、音楽だけが人生のすべてのジョアンと素人くさい奥さんであるアストラッドがちょっとばかり歌が上手かったというだけで離婚しなければならない事態に私の青春の心は痛んだ。
共演のゲッツと、それほど簡単に浮気してしまうのかと悲しい気持ちになった。
しかし、芸能人の中に入るという事は、そういう事なのか嫌な気持ちであった。モトエ!

アストラッドは日本においても日本語で歌わせたレコードも発売されファンを喜ばせた。
同様にイタリアにおいてもイタリア語によるレコードを作ったのが、当作品なのである。
しかし、聴いていてブラジル母国語と全く違和感がない。
彼女の歌はブラジルすなわちポルトガル語で歌っているのを聴いている訳で、今回のアルバムのようにイタリア語版を聴いても、ラテン系という近い言語ゆえか全く違和感は無い。
それどころか指摘されないと解らないという事になる。

曲は、ボサの有名曲のオンパレードで、Tristezza、 The sgadow of your smile、 Manha de carnival、 Summer samba、Aruanda、Fly me to the moon等々、夜のヒットパレードとなる豪華な歌の数々。
それに加えイタリアのヒット曲も数曲歌っていて、両面とも楽しく聴いてしまう。
A−5のGli Occhi Miei、私は昔確かEPを買った記憶があって、非常に嬉しくなってしまったのだが、邦題は「ささやく瞳」で、もう一枚の In Un Fiore「花のささやき」とともに友人と聞き入ったのである。
再びモトエ。

レコードのサウンドは明るくはっきりした音作り、海辺の風のように心地良い。
ボサノバのアルバムとして、文句無しの良い出来である。
それが当時、イタリアのみの発売だったそうで、これぞローカルの幻の名盤という事になる。
ジャケットは当時の目の周りの濃い化粧でにっこり笑っている、その周りをタイトルなどの文字が沢山書かれている。
それもカラフルな所が、ボサノバの明るさを強調している。
平和な60年代をよく表した中々の秀逸なデザインである。
デザインのみならずサウンドもまた、あの時代を現わしている良いレコードである。
当時の原盤は一味違う。

SABU MARTINEZ “AFRO TEMPLE”
2019/10/21

SABU MARTINEZ “AFRO TEMPLE” GRAMMOFON VERKET EFG7341 (SWEDEN)

発売されたスエーデン本国においても枚数が少なく、非常に珍しく、それだけに彼らマニアに取っては自慢の一枚でもある。
そもそもサブー・マルティネスというコンガやボンゴなどの打楽器奏者は日本においては殆ど不人気であったのだが、それが2000年近くなってから突然クラブ・ブームというのがあり、コンガのアルバムなども発掘されるに至った。
その中でも当アルバムは強烈な打楽器のアルバムとして、欧州の有名DJ達がこぞって取り上げるに至れば、日本においても再評価されることになったのである。
現地のマニアによると発売が1000枚だの500枚だのと言われるが、はっきり分からない、しかも廃盤価格も最低500ドルというもので、これだけ世界的に一定していては、珍しい事は間違いない。

サブーは、不思議な事にブルーノート・レコードにPalo Congo(BLP1561)という入手困難な一枚のレア盤があって、何故にブルーノートに作品を残したのかとマニアにとって厄介な対象なのである。
そのサブーが73年にスエーデンにて発表したのが当アルバムである。
これがまた、凄い面子で、彼のほかに準備されたコンガが3人、ドラムが2人という重装備。
それを曲により使い分けると言う、コンガのユニゾンというのかどうか知らないが、腹に響くサウンドは気持ちよく、こんな贅沢な配置は他にはちょっとない。
打楽器重視にしたので大編成なのだが、その割にはアルトサックスがChrister Boustedt、テナーサックスがBernt Rosengrenのたった2人。しかし、この2人が大活躍で、テナーのローゼングレンなどはゴリゴリ感一杯のニュージャズの力強いサウンドでA-4のAfro Templeなどコルトレーンも後ずさるような強い存在感を示す。
B-1 Hotel Alyssa-Sousse, Tunisia、B-4 My Christina など、DJ達のサンプリングとしても使われたのは有名な話。
さすがサブーだけある、大仕事であった。
サブーの作品の中でも断トツの一枚である。

なお、オーディオに自信のある方は是非聴かれて頂きたい。
迫力に感動すること間違いなし。

SAM JONES “THE SOUL SOCIETY”
2019/10/20

SAM JONES “THE SOUL SOCIETY” RIVERSIDE 12-324 (USA)

このアルバムはオリジナル盤が音質の点においても絶対に良い、Riversideも時々ハッとするような音質のレコードを作るのだ。
だが残念な事に意外にオリジナル盤が出て来ない、不思議なものである。

写真は彼が、ベースとチェロを並び横たえた、素敵なショットである。
かつて私もこのジャケットの写真に魅せられた一人でもある、

さて、このアルバムを取り上げたのは理由があって、それはベースの素晴らしい作品であるという事である、と言ってもベースが主人公であるから当たり前ではあるが、彼の代表作であるのである。
彼は、キャノンボールの楽団で活躍をしていた。したがって、当アルバムはキャノンボールの推薦で実ったものでもあり、またライナーを依頼されたとキャノンボールが喜んで書いているから、良い付き合いであったろう。
彼は中々豪快なプレイをするのだが、ここでは、特にチェロとベースと4曲づつ、弾いてみせる。
チェロの時はわざわざベースを一人雇っていて、ベースとチェロの厚みが増すようにサウンドを作っている。
聴いていて気持ちが良い。
チェロの演奏も巧みである。

共演者はNat Adderley(cornet), Jimmy Heath(ts),Charles Davis(bs), Blue Mitchell(tp)と使い分けられているが、至って親しみ易く、ジャズの熱いサウンドが堪能できる。
A−3のThe old countryはナット・アダレイの曲をブルー・ミチェルが吹くのだが、これがまた良い。
ラストのA−4はSo tiredで、当時の人気曲でハードバップ好きには堪らない。

さらに、ベースのオーディオ・チェック・レコードとしても大切な役割を果たす有難い作品でもある。
かつてはジャズ喫茶で人気盤であったのだが、そんな事を知っている人ももういない。

しかし、こんな作品は これからはもう出来ないだろうなあ。

被害
2019/10/19

今回の台風では、風の心配ばかりしていたら、雨の被害の方が大きかった。
東京の話だけでも多摩川の二子玉川や武蔵小杉などで浸水になった。

そういえば、東北大震災の時には浦安の埋め立ての地盤の脆弱性が明るみになった。
その後、横浜市都筑区の鴨居駅近くのマンション沈下事件も鶴見川近くの工場跡地で、青葉区や緑区など地元ではマンション建設に疑問を投げかける人が多くいたのは事実。
今回も結局、小杉の下水吹き出しも元々の低い地形の性質が出た。
小杉は元々、川の近くなので田畑で、人がほとんど住んでいない場所にもかかわらず、開発業者が宅地・マンションにし、やれ便利だ、やれ高級だと宣伝し煽った結果であると言われても仕方がない。

40年ほど前のドラマにもなった「岸辺のアルバム」の多摩川堤防決壊の話も蒸し返され当時を思い出す事となった。
これもみんな、不動産開発業者の金儲け主義に引っかかってしまった結果なのである。
もちろん古今東西、政治家、役人、業者そして契約の弁護士と、相場は決まっている。
こうして近代化は推し進められてきたことは間違いない。
しかし、急こしらえの場所に出来た住宅の購入時には、間取りや内装は奥さんに任せても良いが、男たるもの、付近の地理歴史、地盤、構造に関してはしっかり調べて欲しいものだ。
それこそ男の仕事である。

かと言って、最終的にはどうしようもない事も事実でもある。
真平らな平野部はどうしても水害の可能性は否定できるものではないから。

豆腐
2019/10/18

昨日、ひょっこり「水」の販売店の社長が来られた。
水というのは、レコード洗浄用の水である。

当店もあちこちの水を使用し、結局現在の水におちついた。
混ぜ物のない安心感しかも洗浄力がある、と言った事が大きい。
それで色々話をしていたら、豆腐屋さんに売れるのだと言う、要するに豆腐は植物とはいえ蛋白質なので、機械を洗浄するのに、多くは洗剤や薬品を使用するらしいのだが、最近薬などを嫌う会社がこの洗浄水で機械を洗うと、この水がタンパク質を分解するので、非常に清潔でよろしいと。

という話をしていたら、その一軒が最近人気の豆腐店であると。
調べてみたら丁度近くの小田急百貨店に出展していた。
走って買いに行ったという訳である。

豆腐屋さんは岐阜県中津川市の「中島豆腐」。
20日まで新宿小田急。
普段は新宿高島屋に卸しているようだ。

味がこってりして美味しかった。
まるで湯葉に近い感じ。
大した味である。

ROSEWELL RUDD “EVERYWHERE”
2019/10/16

ROSEWELL RUDD “EVERYWHERE” IMPULSE A-9126 (USA)

入荷したアルバムを眺めていたら、こんな良いのが見つかった。
なぜ良いのかというと、以前から日記のネタとして出てくるのを待っていたのだ。
それはジャズ漫画でお馴染みのラズエル細木さんの、ラズエルとはこのラズエル・ラッドから取ったという話があったから。たったそれだけ。
という事で終了、にしたいのだが、音楽を聴いていたら終われなくなってしまった。

まず、今回のはインパルスのプロモ・コピーで白いラベルに印刷した珍しいラベルであった。
しかも、モノラル盤である。
ちょっとコレクター心がソソられる。

さて、このアルバムを聴いていて感心したのは、フリージャズなのに最後まで飽きることなく両面を聴き通すことが出来る珍しい作品なのである。
なにしろ、音楽がいたって実直で真面目、人間の言葉で言えばわかりやすい言葉で語り掛ける。
それに耳を傾けたくなってしまう音楽である。

そうそう、なによりメンバーにジョゼッピ・ローガンが参加していることが、無茶苦茶嬉しい。
私はなぜか、ジョゼッピ・ローガンの名前を聞くと興奮してしまうのだ。興奮シマクラチコ、と言うんですかね。モトエ

世の中に音楽をやっている方々は数いるが、有名な音楽家のコンサートでも、すぐに眠くなってしまったり、帰りたくなってしまったりする演奏には結構遭遇する。
かといって本当に寝てしまったり、帰ってしまうのは失礼だから、結局面倒になりライブを聴きに行かなくなった。
勝手に演っていろと言いたくなる演奏は結構では無くかなり多い。
音楽は上手いだけではダメなのだ。
語り掛ける何かがないと。

そういう意味でも、こういうのを良いアルバムというのであろう。

ラグビーで思い出した事。
2019/10/15

昔、旅行会社にいた時、ニュージーランドのお土産屋さんの営業が来るというので、アポイントを取りに来た、そうしたらみんな面倒だからと逃げてしまって、私が対応する事になった。
さて、2日後、来られた方はガッチリしたお相撲さんの固太りのような大男、名前はシーン・フィッツパトリックというラグビーのスターだった。

私は会議室の中で彼とたった2人でラグビーの話やら、オフとの時の仕事など色々聞いた。
もちろん お土産屋さんの営業の話も聞いたのだが。
後日、日本人の営業の人の話。
「某会社に行ったときは、社員の多くが会いたいと押しかけて話どころでは無かった。それなのに御社は池田さんただ一人で驚いていたよ」との事であった。
良いだか悪いだか....

あの時の情景を今でも、ふと思い出す。
その話をしても今はだれも反応がないのが、ちょっと残念。

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