HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。
  
福寿草 | - 2019/03/01
- 庭に降りたら、福寿草が咲いていた。
春が来たという証拠である。
福寿草は花が終わり、その後葉がふわっと茂ると夏には姿が消える。 まさに「私はここには居ませんでした」と消え去る不思議な植物である。 秋などに、買って来た木でも植えようかと空いている場所にスコップを入れると、グサッと福寿草の根にあたり、ああ、ここにいたかと思い出すのだ。
そういう植物を「スプリング・エフェメラル」、春の妖精と呼ぶらしい。 カタクリの花も、消えてしまうのだが、そのうちにひょっこり花を見つけ「あれ、今年も咲いた」と嬉しくなる。
面白い花である。
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寄席 | - 2019/02/28
- 先日、家内と新宿末広亭に落語を聞きに行った。
昼の部であったが、私は伊勢丹に寄り「神田志乃多寿司」のお稲荷さんと巻寿司を食べることに決めているので、手にぶらさげて行った。
平日にも関わらず、結構、観客の入りは良い。 だが、ほぼ老人ばかりならば、やっている方も見事に老人ばかり。
なんだか老人ホームの慰安会かと思えた。 なんとなく迫力に欠けるわなぁ。
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病院で | - 2019/02/27
- 大学病院に診察で行く。
受付機の前が珍しく5・6人並んでいたので、私もその後ろに並ぶ。
所が前が空いたのに、全く進まない。 私は先頭にいた初老の女性に 「前が空きましたよ」と声を掛けた。 すると「えっ!?」と怪訝な表情。
そのおばさん、単に 立ち止まって鼻をかんでいただけであった。 そこに勘違いした後続が並んでしまったという、なんとも長閑な話。
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THE SWEDISH MODERN JAZZ GROUP “SAX APPEAL” | - 2019/02/24
- THE SWEDISH MODERN JAZZ GROUP “SAX APPEAL” BARBEN BLP1004 (SWEDEN)
非常に珍しいアルバムである。 このアルバムはその後、英国のTEMPOレーベルからNILS LINDBERGのリーダーとして発売され、これもまた非常にレア盤でありマニアの垂涎盤である。 演奏はスエーデンの一流処が集まっただけに文句はない。 再発もされているわけでもあり内容について私がいう事はない。
さて話は、何よりジャケットの写真が素敵な事。 SAXとSEXYを掛けて、ジャケットにセクシーなお姉さんを持ってくるとは、なかなか良いんじゃない?! でも今どきは こういう駄洒落はやらないかもしれないが、オジサンとして嬉しいのよ。
演奏はサックス4本なので、サックスを4本並べ、セクシーな美女がサックスに手を掛けているという構図である。では手を掛けた人は誰?バリトンだからLARS GULLINという事になる、まあ一番のハンサムだから仕方のない所でもある。
ところで、ジャズのアルバムにSAX APPEALというアルバムは結構あって、私がパッと思いついただけでも3・4枚ある。 まず。当アルバムの再発でNILS LINDBERG名義にしてTELESTARから出たもので、セクシーさは低い。 ベルギーではJACK SELS名義で RELAXレーベルから出たもので演奏もイケル、こちらは美女とサックス一本であるがセクシー度は高い。 イタリアにはGLAUCO MASETTIがFOXレーベルから“SAX & APPEAL”というEPを作っていて、ジャケットはちょっと不良っぽい女の子の写真がイカス。 日本においては今津雅仁先生が、同名のアルバムを自費出版したものがあり、内容は抜群であるが、大変なレア物である。 どれもアピールした物だけに内容も素晴らしいのは納得させられる。
こうして思うに、SAXとSEXYは掛け易いのであろう。 ま、結構な話であった
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SONNY ROLLINS “TENOR MADNESS” | - 2019/02/23
- SONNY ROLLINS “TENOR MADNESS” PRESTIGE 7047 (USA)
実に素晴らしい写真で、顔が写っていないにも関わらず、いかにもジャズマンという雰囲気が出た素晴らしい、これぞジャズの中のジャズ・ジャケットである。
演奏はRollinsのクァルテットに一曲だけColtraneが参加した珍盤であるが、昨今はロリンズの出来より、二人の共演ばかりが取り上げられる、というへんなアルバムである。 かつては、60〜70年代頃の話であるが、このアルバムの良い所はB−2My Reverie と、ついでA−2When your lover has goneのロリンズのバラードが良しとされていたので、コルトレーンとの共演はあまり重要視されていなかった。 それが 時代が進み、研究も進んで先生方は書くことが無くなったか、只管に共演の話ばかりを書くようになったのだが、その後に続くネットのブログなどもこの話の焦点、どちらが上手かったかという点においてのみ終始している。 あたかも、どちらかが上手くないかを書かないと、書き手として己の「格」が落ちると考えているかのように。 たった一曲のみの共演で、しかも急遽作られたセッションなのに。 何だろうね、どうでも良いのに。
さて、私が注目したのはこの写真。 勿論モデルはロリンズである。テナーの口をこちら側に向けているのはテナーを上に持ち上げているという事で、上手いショットであるが、しかし、見るほどに見事な写真である。 撮ったのはWeinstockとジャケに書かれているからにはワインストックなのであろう。 その時の同じ時のショットが無いかと調べたら出て来た。 正面から撮った写真である。なるほどと思える写真である。 こういうのがあると嬉しいねえ。ネットの利点でもある。
という事で、この作品は写真だけ取っても意味があるのである。 バラードは良いし、コルトレーンとの共演も聴けるし、コルトレーンの中にロリンズの影響も感ずることが出来るし、文句のない作品である。
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LESTER YOUNG “THE JAZZ GIANTS ‘56” | - 2019/02/20
- LESTER YOUNG “THE JAZZ GIANTS ‘56” NORGRAN MGN-1056 (USA)
黄色のラベルの盤に、やや黄土色っぽさを残した、くすんだ茶色のジャケットのオリジナル盤。 私は見ていると胸が熱くなる。 ブルーノート盤などとは違った、ある種の悲しみを伴った、胸に迫るレスターヤングの名盤である。
以前のスイングジャーナルには50年代のレスターヤングを、あの大和先生や粟村先生をして聴くべきものはない、と言わしめた作品群であるが、「Press & Teddy」そして当アルバムの「Jazz Giants 56」は別格としていたのだから、厳しい耳を持った当時の先生方にも心揺さぶられるものがあったのであろう。
確かに、Press & Teddyは誰の耳においても大傑作であるのだが、当アルバムもまた傑作あると私は断言する。 Press & Teddyは1956年1月13日 Lester, Teddy Wilson, Gene Ramey, Jo Jonesのワンホーンである。 一方、当アルバムはその前日1月12日 Lester, Teddy Wilson, Gene Ramey, Jo Jones,と同様のメンツにRoy Eldridge(tp)とVic Dickenson(tb)が加わっただけである。 やはり時期的にもたった一日違いでもあり、内容も充実していると断言できるものである。
聴けば、正にPress & Teddyの続編とでも言いたくなるTeddy Wilsonとの、目と目を合わせて演奏したからこそ出てくるような、聴く人の心にぐっと迫る哀愁が素晴らしい内容である。 続くトランペットとトロンボーンの演奏も期待を裏切ることはない。 B面などもかつての彼の腕前を彷彿とさせる音の運びで、誠に元気いっぱい、これほど充実していようとは。 親分が元気なら皆も元気、Jo Jonesのドラムも他の演奏に無い程元気で、嬉しくなってしまう。 Press & Teddyが気に入った方なら、必ず満足されるに違いない。
ところで、50年代のLesterの作品は毛嫌いするほど悪いのかと思うと、全くそんな事はなくて、LP時代の演奏としては、どれも満足できる内容であると、私は言いたい。 かつてのAladdinなどの78回転SPが入手出来て聴く装置がある方々は、かつての先生方と同様な発言になるとは思うのであるが、時代が進んでしまった現在それは殆ど不可能な話でもある。
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只管納豆 | - 2019/02/19
- 家内が豆腐を買いに行ったら、こんな納豆を見つけたと買って来た。
只管納豆。 味は大変に美味しいものであった。
なにしろ豆腐で有名な三の助豆腐が作ったものだけに流石であった。 でもちょっと高いのが欠点でもある。
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ZOOT SIMS "COOKIN'" | - 2019/02/18
- ZOOT SIMS "COOKIN' " FONTANA 683 273JCY (ITALY)
アルバムの内容としては、何度か日記にも掲載したので、あまりくどくどと言う事はない。 今回の要件は、ただ一つ、それはイタリア盤だという事。 なにしろ、今まで何枚というこの作品に触れてきた、しかし、イタリア盤はお目にかかった事が無かった。 それがあったんだな。
仕入部長がイタリアから送って来た荷物を見ていたら、COOKIN'が出て来た。 そうかと、眺めていて、ふと違和感があった。 なぜならジャケットのコーティングに皺があったから。 皺が寄ったジャケットはイタリアにしか生まれない。 ひょっとしてと思いラベル等も眺めたら、案の定イタリア製だった。 驚いた。
さて、話は変わって、ジャケットのコーティングの皺の事。 イタリア在住の仲の良かったマニアに聴いた話、かつて一度書いたかもしれないが、今回はもう一度説明しておかなければなるまい。そうでなければ、読者がこのOOKIN'に興味を示さないであろうから。
1950年代の終わり頃からイタリアにおいても各レコード会社もアメリカのブルーノートやプレステイジ・レーベルのような、あの光り輝くコーティングされたジャケットカバーを作りたいと考えた。 所が、どうしてもコーティングに皺が寄ってしまう。 薄い紙いわゆるペラジャケならコーティングが出来る。 しかし、アメリカのような厚いボール紙にコーティングすると、必ず皺が寄ってしまったのだそうだ。 結局、その後厚紙のコーティングは諦めたそうだ。 イタリアだけではない、ヨーロッパは皆ペラジャケである。 従って、皺の寄ったジャケットこそ紛れないオリジナルの証拠なのである。
言って見れば、50年代後半のアメリカの技術はとてつもなく進んでいたのだ、それに気づく事も無くアメリカはコストダウンを優先する事ばかりに注意が行き、世界に輝くジャケット作成技術を音楽産業の中から捨てるのである。 厚紙にコーティングを掛けて、それを曲げ、その裏側にライナーノーツの紙を貼るという、見事なジャケットは、いくら頑張っても本物は出来ないのだ。
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JULIAN DASH “A PORTRAIT OF JILIAN DASH | - 2019/02/17
- JULIAN DASH “A PORTRAIT OF JILIAN DASH” MASTER JAZZ RECORDINGS MJR8106 (USA)
ちょっと珍しい、かつマイナーなアルバムである。 ミュージシャンもマイナーと書こうと思って、裏のライナーを読んでいたら、major tenor saxophonistと書かれていたので、私もそれに倣う。といって彼の作品はこれ一枚であると思う。 だが、かつては彼のテナーサックスの味に惚れ込んだマニアが時々探していたのだ。 最近はこういう珍盤を探す人が減った気がする。
このアルバム、ギターが活躍している、随所にというか、いやずっと出てくる。 Jimmy Shirleyというジャズ、ソウル、ブルース、ジャイブと言った所のギタリストで、どうもジュリアンさんが気に入っていたギタリストらしい。 そういえば、ジュリアンさんのスタイルもまた、ジャズ、ブルース、ジャイブと何でもイケル感じで、ジャズはスイング・スタイルと言った方が合っているようでもある。 だが、ムード・テナーでオジサンの好きな感じ。
ところで、この盤を聴いていたらA−2に「Taxedo Junction」という曲が出て来た。あれと思って眺めると作曲の所に彼の名前がある、まさかジミードーシーなんかじゃないのかと疑問に思い、さっそく調べてみた。 彼一人では無く、仲間の3人で作曲したらしい。 これほどの有名な曲を作った凄い人だったんだね。 感心してしまった。 という事で、作曲者本人の演奏を有難くきかせて頂いた。
良い味わいのアルバムであった。
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JOHN LEWIS “FOR MUSICIANS ONLY” | - 2019/02/13
- JOHN LEWIS “FOR MUSICIANS ONLY” VERVE MGVV9018 (HOLAND)
何だか見た事のないジャケットだなあ、とよく見ていたら、ジョン・ルイスのVERVEの名盤「フォー・ミュージシャンズ・オンリー」だった。 オランダ盤で、発売はどうもかなり古い物らしい。
ジャケットのデザインは、石造りの壁にJOHN LEWIS とか RAY BROWNとか落書調で書いて、ドアにFOR MUSICIANS ONLY と、ぶら下げてあるのが面白い。 大いに遊び心を出して制作されている。
いやいや、いいジャケットだなあ。
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