Teddi King "Miss Teddi King" | - 2024/06/17
- Teddi King “Storyville Presents Miss Teddi King” Storyville LP314 (USA)
黄色地に黒の点描画のような女性の横顔が印象的なジャケ写である。 その製作意図は分からないが、ある意味印象的で妙に気になるデザインでもある。
1955年の10インチ・アルバムで、裏のライナーを読んでみると、こんな事が書かれてある。 「歌手が成長するための方法で一番は、優れたミュージシャンとの交流である事は間違い事実である。この点において彼女は短いキャリアの中でも非常に幸運であった。ジョージ・シアリングは最初にテディに彼の最大の才能の恩恵を与えた。ボストンで無名だった彼女を見出し、国内有数のジャズグループの一員に加えた。彼女の音楽的才能と素晴らしい音感の組合せで完璧主義のシアリングと共に理想的なボーカリストとなった。」と。 きっと、その通りであろう。英文のライナーは読むと良い事があるなあ。
ストリービル・レーベルにおいて2枚目のアルバムであるが、Jimmy Jones(ピアノ)、Jo Jones(ドラム)、Milt Hinton(ベース)のトリオはボーカルに取って完璧で、そこにトランペットのRuby Braff(ルビー・ブラフ)がムード一杯の音色で陰影を付けると、そこには風情あるボーカル・アルバムのパラダイスが産まれるのである。
彼女の声は、女性らしい大人しめで優しい、言い含めるような歌は聴くと自然に聞き入ってしまう。そんな感じは、きっとジョージ・シアリングの教育であろうか。聴いていて、実に好ましいのである。
その後彼女は、トントン拍子にRCAに移り小ヒットもあり、意外に作品数は多い。 廃盤としての人気は初期のStoryvilleレーベルの3枚が圧倒的であるが、いつの時代もそれなりに充実している。 仕事にも恵まれていたようだが、1977年SLE(全身性エリテマトーデス)という難病で48才で亡くなっている。
好事魔が多しとでも言おうか、残念な事であった。
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