街の喫茶店 | - 2022/08/23
- 思うに、私はコーヒー好きなのであろうか?
良く考えると、コーヒーは好きだが、その物よりも実はもっと喫茶店が好きなのではないかと思い至るのである。 それでもコーヒーが飲めないようでは、話は始まらない。
かつて伊集佳代子さんの「シャバダー、シャバダー........」で始まるネスカフェのTVCMで、インスタント・コーヒー・ブームが起こり、田舎に住んでいた高校生の私も友人の手前、見栄を張って飲んだインスタント・コーヒーの苦さ、その苦さを克服してこそ大人への第一歩、そう信じて私のコーヒー好きは無理矢理に修行の如く始まった。 コーラが14歳、コーヒーは17歳。 あたかもジャズ好きになった第一歩もまったく同じ行動であった。しかし、学問にはその修行と言うか、我慢しても勉強するという域に達する事が無かったのは今さらながら、実に残念な気がする、モトエ。
私の若かりし頃、街に喫茶店がたくさんあった。 従って人に遭えば「ちょっとお茶でも」と、何かと喫茶店に行った。 学生同士でも、彼女とも、いや彼女でなくても異性との会話はほとんど喫茶店に限られていたし、就職した後でも会社での昼食は1時間の間に必ず千円以内で、昼食と喫茶店がセットになっていた。 飲みに行った後は〆で喫茶店に行った。 特に土曜日、半ドンのあと、同僚たちと数人で喫茶店でしゃべっていたのは今更ながら楽しい思い出となった。 以来、人生の50年以上、喫茶店に行かない日はないような気がするのである。
家にいる時も、3時になれば、もちろん家内とコーヒーも飲みましょうという事になるが、家内がちょっと仕事やら音楽の稽古でも始めれば、これ幸いと急いで着替え、ちょいと駅近くのカフェに出かける。そこで30分から1時間ほど本を読むのが何とも幸せなのである。 ただ、この青葉台辺りはみなチェーン店になってしまい、個人の喫茶店というものがない。 スタバのコーヒーなど、飲むものかと思っている。 個人のカフェなどが無い街は、大人のための街ではない。
喫茶店よ永遠なれ!
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