HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。
  
| JIMMY SIMTH “PLAIN TALK” | - 2017/07/04
- JIMMY SIMTH “PLAIN TALK” BLUE NOTE 84296 (USA)
コヒーカップの中に黒人の女の子が浮かんでいるという、いかにも60年後半のポップ調のアルバム・ジャケット。 悪くは無い。しかし、悪くは無いが、何の事も無い後期のジャズかと軽く見ていたのだが、聴いていたら、オヤッ。 Jackie McLeanのソロも聴こえるは、Blue Mitchellのバラードが素敵だは、これはどういう事かと注目。 カッコ良い演奏なので、これはひょっとするぞと、 まずはディスコグラフィーを調べてみよう。
発売は1969年と遅いので、軽視してしまうのは致し方ないが、録音は1960年の3月だと、なるほど。 ちょうど Jackie McLean の Capuchin Swingなどと同じ時期の演奏。 それは悪いはずはない。
姿勢を正して、改めて聴こう。 Plain Talk はJackie McLeanの良いソロ。 Time After Time はIke Quebecの長いソロをたっぷり堪能、良いジャズだ。 My One And Only Love は Blue Mitchellの切々としたソロが続き、Jimmy Smithとの息の合ったバラードで、いや、いや、素敵な曲だこと。これは大当たり!
しかし、当時のブルーノートなどは蒼々たるメンバーを集めていても、演奏させるのは1曲だけだとか、なんとも贅沢である。 今更ながら はーっ、と感心してしまう。
これは聴いて お得なアルバムなんだとびっくりした。
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| MONICA ZETTERLUND “SWEDISH SENSATION” | - 2017/07/03
- MONICA ZETTERLUND “SWEDISH SENSATION” COLUMBIA 33CSX20 (UK)
さて、モニカのレコードは数あれど、これは断トツに珍品である。 なぜなら彼女のデビュー作でもあり、なんと英国でプレスされた物だから。 英国人は買わないし、スエーデン人は探しても見つからない、という非常に珍しくかつヘンな一枚なのだ。
1958年彼女がこのアルバムでデビューしたものの、62年のあの紫の美人ジャケAhh! Monica!までは、リリースされたアルバムは全てシングル盤である。 主にスエーデン国内および北欧でのマーケットであったのか、北欧のファンのシングル盤好きもあり、中々LPまで至らなったというべきか。 62年の辺りでようやく彼女の人気も上がって来たと言う事である。 その後は64年の有名なBILL EVANSとのWaltz for debbyで名実ともに絶頂である。
さて、話は戻って本日のスエーディシュ・センセーション。 写真を見ると大変な美人である。だが若いと言うか、まだ痩せていて、顔に鋭さもあり、目もきりっとして、短いブロンドの髪の毛と相俟って21歳時の、野心と強さが出た素晴らしいポートレイト写真である。 肩も大きく見せている所も気合十分である。 全体の色調をオレンジ系でまとめた所も、彼女のポジティブな印象を出している。 いずれにしても野心溢れた作品だと思う。 女性ヴォーカルにしては、珍しく人間性の強さを出したジャケットデザインとなった。 こういう所が欧米の良いところである。
音楽は、伴奏にスエーデンの一流所が揃っていて、みな流石にソロも見事である。 曲によってスモールコンボで演っているのもあり、特に言えば、何とDONARLD BYRDの参加が光る。 2曲のみの参加だが、彼が入るとやっぱりジャズとしての雰囲気が盛り上がり、ソロにでもなればジャズって良いなあと、聴く人みな口をそろえる。わずかの仕事だが盛り上がりを作り、作品として十分に結果は出ている。 私はこのB面の2曲「Spring is here」「Easy Living」が特に好きだ。またBenny BaileyとArne Domnerusがバックを勤めた優しい雰囲気の「More than you know」も。
下世話な話をすると、彼女は4回結婚をしており、その間に何とも恋愛もある大変アグレッシブな人生であるのだが、とくに1967年から71年の間にはSTEVE KUHN(スティーブ・キューン)と同棲をしていたという。 確かに彼はこの間ストックホルムに長期滞在しており、アレンジもしたアルバムも残しているので間違いなさそうである。
美人はモテルから大変だね。
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| タカタ | - 2017/07/02
- 自動車エアバックの世界トップメーカーのTAKATAが一兆円で倒産。
なんとかならなかったのかと思う。 シートベルトのTAKATAは私なども親近感を感じるメーカーである。 トヨタ、ホンダと一流の大手メーカーが揃っている日本でこの位、なんとか再生させられなかったのか? アメリカ国家における日本の自動車メーカー叩きは目を覆う酷い有様、ちょっとの隙を見つけ、また難癖を付け、ああだこうだと罰金刑で支払って来た金額は一体幾らになろうか? 今回のTAKATAは10億ドル。 今までトヨタなどが支払って来た金額は、優に小国の国家予算などふっとぶ金額である。 確かに初動が悪かった事はあるかもしれない。 しかし、昨今アメリカの日本や他国の工業つぶしの政策は恐ろしいものがある。 ひっちゃきになってアメリカ工業の復権を目指している感もあるが、一方、植民地として首相はじめ何も言えない事もよくはわかった。 しかし国家たるもの恥じはないのか。
ここに中国資本が乗り出してきた事はニュースで知った。 たしかに経営者の無能な事は解るが、シャープも今東芝も日本の技術保護の点に於いても大きな損失になる。
それにしても日本政府の知らぬ存ぜぬの態度は如何なものか? そもそも安倍政権の経済政策は大手ありきの政策、その大手を見殺しにしてはまずいだろう。 おかしいよね。
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| パンを焼けば | - 2017/07/01
- パンを焼いて、ちょっと忘れてしまったらしい。
辺りが焦げ臭いので、あっ!と思い開けて見たら、真っ黒け。 あまりの見事さに我ながら感動。
真っ黒けのけ、真っ黒けのけ... トンネル過ぎれば、まっくろけのけ.... こんな宴会の歌は、だれも知らないね。
しかし、彫刻の域である。 エヘン
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| YOUは何しに日本へ? | - 2017/06/30
- 今日はとても楽しい事があった。
テレビ東京の「YOUは何しに日本へ?」という番組の撮影。
それで、アメリカから来た青年が、レコードを探して日本に来たという事で、当店にいきなり入ってきて、下を通りかかったら看板があったので、とカメラ一台とプロデューサーと通訳の3人で来られたのだ。 「YOUは何しに日本へ?」は面白い番組で私ももよく見ていただけに、親しみがある。
それで探し物は「大貫妙子」のレコードだと。 私の専門はジャズなので、詳しくはないが、ミュージシャンとして優秀な事は知っている。 ひょっとすると今ならあるぞと、外人にも手伝ってもらって探し出した。 しばらくバックヤードも探したら、目当ての物が出て来て、本人も大喜び。
ところで、3時間ほども掛けた撮影も、放映するかどうかは分からないらしい。 訊けば、何しろ人気番組だけにクルーもいくつもあり、そこで撮影をした物がいくつもあるわけで、その中から良かった物を放映に持って行くわけで、社内のコンペで残らないといけないらしい。 さすがに、厳しい審査を通るだけに面白い番組は出来上がるのだとオジサン感心してしまった。 もし、その時はお知らせしますと言って、帰って行った。 オジサン、前回のNHKの撮影でもたった5秒という出演にも慣れているから大丈夫だよ。
でも、レコード屋冥利に尽きる撮影で、楽しかった。 本当に、アポなしなんだね。エライ!
(気を付けてお帰り下さい)
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| とうもろこし | - 2017/06/29
- 頂いたとうもろこし。
食べきれずに半分、冷凍庫に入れておいたものを、解凍してからグリルで焼いてみた。
廻しながら焦げ目が付いたら醤油を塗りながら又焼く。 写真の通りの「焼トウモロコシ」。
香ばしくておいしいなあ。
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| マリちゃん (1) | - 2017/06/28
- 【長い話なので、ここから下に向かって読んで下さい】
20才の頃、付き合った女の子に「井上マリ」という子がいた。 昔付き合った女子の中で唯一名前を憶えている子である。
ディスコで知り合ったジョージというリーゼント・ヘアのカッコ良い不良のボスがいて、阿佐ヶ谷で朝まで遊んでいて、帰りに早くからやっている喫茶店でモーニングサービスを食べようという事になり、行った所にこのマリちゃんが働いていた。 ちなみに、ジョージは良いヤツで、ジーパンが欲しいと言えば「オー、これで良いだろ」と持って来てくれる。 新品でもリーバイスでも欲しい物を、どのように入手するのかは問わない事にしていた。
「可愛いなあ、あんな子が彼女にいたら良いなあ」と言ったら、ジョージはすぐマリちゃんを呼んで「おい、こいつが付き合いたいと言ってるぞ」というと、なんとマリちゃんが「良いよ」。 宝くじに当たったかのような夢のような、本当に付き合う事になった。 というラッキー池田な話でもなく、実は彼女は家出をしていたらしく取りあえず知合いの男の家にいたけれど、男が迫って来るのがいやで、住む家を探していたと言う事だったのだ。 と言うものの、身体も大きく大人の女のなかなかの美人。 さらに美味しいことに胸は大きく、当時の大概の服は胸が入らなかったのだ。
どのくらい美人だったかというと、マリちゃんを連れて友人と焼肉を食べに行ったら、余りに美人さにアガッてしまい食事が出来なかったと言っていたほどであった。 また一度はどこかのディスコに行った所、マリちゃんがヤクザに気に入られてしつこく誘われた。それでマリちゃんが「彼氏がいるので困ります」と断ったら、男に合わせろという話になり、怖そうなヤクザの前に私が出て行くと「お前たち本当に付き合っているのか?」「はい結婚前提です」「だったら許す」と言われ「お前は幸せだな、こんないい女ちょっといねーぞ」と太鼓判を押された事があるほどであった。ヤクザは美人に敏いから。 その後、松坂慶子の映画撮影現場を見た時に、ああマリちゃんも負けたな、と思ったくらい。
ところが、その幸せなはずの恋愛はちっとも幸せでは無い。 なにしろマリちゃんは浮気者で、どうしようもなかったのだ。
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| マリちゃん (2) | - 2017/06/28
- 朝アルバイトだと出掛けて行ったものの、深夜疲れ切った顔をして帰ってくると流石にこっちも面白くない。
それで最初の内はよく喧嘩になった。 しかし、マリちゃんは一向に浮気を改める訳でもなく、今思えばセックス中毒だったのだろう。 その内にどうでもよくなって、疲れて帰ったマリちゃんに、あり有わせで夜食を作り食べさせたりしていた。 彼女はその時になるとスイッチが入ってしまい、後の事は考えなくなるらしかった。 有る時、私の友人が訪ねて来て、「直ぐにうちの人が帰るから」と部屋に入れてしまいちょっと話をしているだけで、もうヤリたくなってしまう、という程であった。 あっという間に、我々はただの同居人になってしまった。
仕事と言っても出来る事はウイトレスくらい、その上長続きはしない。 一時は私が時々行っていたジャズ喫茶でも働く事になったのだが、なんとそこのバイト仲間ともすぐに出来てしまう、訝しげな雰囲気は周囲にすぐに伝わる、何だかんだとバイト仲間の評判も落とし、居心地が悪くなり辞めた。 更にちょっと学校で習った事の話などになると、全く分からないらしく、不機嫌になり、話題と言えば芸能ニュースだけ。 一体どうなっているのかと思ってはいた。
その内に、妊娠し誰の子か分からないと困っていたのだが、バイト仲間などもカンパしてくれ病院で下してきた。 それを機に出て行ってくれと言ったのだが、ここにいたいといい、またそのまま居着いた。
またその内に、ふっと居なくなり、10日ほどでROPEのお洒落な洋服を着て帰って来て、良い男に気に入られ買ってもらったと喜んでいた。 また将来、男と店を持てると言い出したので、良かった良かったと思っていたら、また妊娠したと騒ぎだし、今度はその男に金を出させて下した。 それで、どういう事か分からないが男とは切れた。 結局男は遊びだったのだろうという事になったが、マリちゃんは一向に気にする様子もなく、相変わらずの生活で私の部屋にいた。
マリちゃんは自分の行動に反して私が買物で女店員と話しただけで、嫉妬し怒るのが不思議であった。 来てから2年近くにもなろうとしていたし、関係も無いわけで、出て行って欲しいとお願いするも、もう少し、もう少しと住んでいた。 だが、有る時どこかで探して来たか、銀座周辺のナイトクラブでアパートを借りる支度金を出してくれると言うので、ようやく、荷物などほとんどないが彼女が引越して行く事になった。
私は、性関係はなくとも別に良かったというか、人間の内面は悪くないしそのままでも良いかなあ、と思い始めてはいたが、なぜか、その時はサッサと明るく別れる話になったのは、不思議であったがきっと神様が決めた別れの時期だったのだろうと思った。
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| マリちゃん (3) | - 2017/06/28
- 引っ越しの前日せめて一緒に食事でもという事になったが、そこで彼女の話が始まった。
「以前、週刊誌にあたしの友達が乗っていた話、あれはあたしだったんだよ」 それは、男性週刊誌に十代の女のセックス事情という特集で、見るからに少女が、眼帯をして写っていたのだが、それこそ芸能人やプロデューサーと呼ばれる人達や、複数やらSMやら何でもありのセックスがいかに乱れているかと言う話をとうとうと喋っていたわけで、既にマリちゃんは十代にしてセックスの達人だったのだ。 なにしろ小学生の頃から水商売の母親が連れ込んだ男とのセックスを隠れて見るのが楽しみだった言うし、中学生の頃には、毎日近所の不良が集まっては、やる事はセックスしかなかったという事であった。 その週刊誌をマリちゃんは宝物のように持っていた。
更に驚く話が。 「あたしは今18才なの」 「えっ!」私と会った時に確か高校を卒業したばかりで18才だと言っていたはずで、それでも、大人びていてどう見ても18才には見えなかったのだが、美しい顔に時々見せるブリジット・バルドーばりの「あどけなさ」は本当のあどけなさだと知った。
何も言えなくなった私に更に、追い打ちが。 「あたしの名前は井上マリではない」と。 「えっ!」 「仲良しの子の名前で、本当は李と言う名前なの、家に分かったらいけないので隠したの、ゴメンね」 本当に悲しくなった。 彼女は私が本を読んでいると、時々私のノートをひっぱりだして来て、詩を書いていた。 それが「私は井上マリ、18才」と書き始めるのが常であった。 それはきっと忘れないためのメモだったのだ。
私は性の欲求も強い方でもなく、彼女からは最も遠い人間だったのだが、思えば性の達人がよくぞ私の所にいたものだと、なにやら大いに感動した。 私は、何も知らないまま2年間 マリちゃんと一緒にいた。 マリちゃんは自分を隠し通して、2年間いた。
その後2年ほど経って、この広い東京で偶然、彼女に2回会った。 立話程度であったが、ちょっと歩きながら話した。 それによると、私の背中に時々湿疹が出来て塗り薬を付けてもらっていたのだが、それが彼女には「とても嫌だった」という話であった。
勿論 マリちゃんはもっときれいになっていた。
(誰か映画にでもしてくれ!)
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| 湿気が | - 2017/06/27
- 湿気が多い梅雨の季節。
何よりも除湿をしよう。
エアコンの除湿機能を24時間付けておくとよい。 温度が若干あがるものの、風呂場などに除湿機も置くとよい。 除湿機は「水取り象さん」など問題にはならないほど、これほど空気中に水があったのかと衝撃に思うほど、朝晩大量に取れる。
本、レコード、オーディオ機器、もちろん洋服・靴など沢山お持ちの方には、強くオススメしたい。 もちろん家の中のカビは癌の元にもなる。
カビを取るのは大変だけど、生えるのは簡単にできてしまう。
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