LARS GULLIN “LARS GULLIN-AKE PERSSON” | - 2017/02/21
- LARS GULLIN “LARS GULLIN-AKE PERSSON” PHLIPS P08202L (SWEDEN)
久し振りの入荷である。 このアルバムも面白い事に演奏者はスエーデン勢だが、発売はオランダとなっている。 まあ、PHILIPSの底力とでも言おうか。
私は開店当時 よくスエーデンに通ったのだが、それはこういうアルバムを仕入れする目的もあったのである。 ラス・ガリンの名前の呼び方は、現地の人の言い方を聴いているとグリンに近い。 グリンと書いても良いのではないかと思われる程であるが、まあ、習慣であるからガリンでよい。 オキ・ペルソンの方はAの上に丸が付くのでオキとなるそうだ。
という事で黒いジャケットの写真の渋いデザインで中々カッコ良い。 手前がオキ・ペルソンで向こう側がラス・ガリンという事になる。
このアルバムもまたクラブ・ジャズの人気の一枚で、一時は大騒ぎで探されたものである。 人気の曲はA面2曲目「NASSI GORENG」という曲である。 ナシゴレンとはインドネシアの料理のいわばチャーハンである。まさかと思い現地の人に訊いたところ、正にそのナシゴレンだという事であった。 えっ!という感じで非常にガッカリした。 しかし、気を取り直して演奏を聴けば、どちらかというとバリトン・サックスとトロンボーンでまったり感がある演奏で、Stella by starlight, Lover man, Besame mucho等の曲がイメージにぴったりするのだが、このナシゴレン一曲だけは気が違ったかと思わせる絶好調なのである。なるほどスタートから浮き立つシンバル・ワーク、明るい光が躍るような雰囲気が伝わる、リズムの効いた好演奏。こうして思えばインドネシアの南洋の日差しを連想させるのか? 10年前まではクラブ・ブームを牽引し、みんなが躍った曲なのである。 短い3分程の演奏だが、甚く感心してしまう。 バラードの曲も落ち着いた音楽センスを感じさせる立派さであるが、これは確かに現代的な良い演奏であり、今なお、スエーデンを代表するモダンジャズの演奏である。
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