HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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WALTER BISHOP Jr “SPEAK LOW”
2018/03/18

WALTER BISHOP Jr “SPEAK LOW” JAZZTIME JT 002 (USA/CANADA)

さて、なんとも珍盤の登場である。
それも音質の良いステレオ盤であるので、余計に珍品なのである。

このアルバムは、70年代の廃盤ブーム到来の我が国においては、大変なレア盤で我々は見たこともなく、ただ雑誌の写真を見て指を咥えていたのである。
私も当時日本では入手困難と見てせっせとアメリカの雑誌などの、バイ・アンド・セイル(売ります買います)のコーナーを見ては手紙を送っていたのだが、それでもヒットする事はなかったのだがある時、ひょんな話から見つかったという連絡が来たものの「裏に線を引いてある」という話から値段交渉など3・4回やり取りがあり、最終的に先方から「こんなレコードは初めて見たから、ゴチャゴチャ言わずに買え、でないと後悔するぞ」という殺し文句で、購入に至ったのだった。
その後も買い替えなどになるチャンスは巡ってこなかったから、やっぱり珍しい一枚だった、と今でもつくづく思う。

当時の話。
ある人が、ショップでこのレコードを見つけたところ、裏ジャケにカナダと印刷がある、それで店員に尋ねると「カナダ盤だから安いのだ」という、ところが本人もそうであろうと思ったり、違うと思ったり不安で 今は無き某廃盤店に電話で訊くと「何も言わずに黙って買って帰りなさい」と忠告があり購入に至ったという話があるほど、レアなのであった。
廃盤ならではの話である。さもありなんである。

さて、このレコードはその後80年頃だと思うが、MUSEから再発され、そこから日本盤がオリジナル・ジャケットで再発に至る。
日本盤でも再発を手に入れた嬉しさは格別であった。

作品はタバコ・ジャケに駄作なしの通り、ビショップ本人が ちびたタバコを吸っている面白いデザインである。
音楽は何よりジミー・ギャリソン(Jimmy Garrison)のベースの存在が大きく 出来に寄与していてグイ−ッと弾く音もなんとも素晴らしく、また冒頭から「ドゥッ、ドドゥン、ドドゥン」と大きく鳴る迫力音で、ウイグイ来るベースにやられてしまう事請け合い。
このあと数年でコルトレーンとも共演する逸材だけに、見事としか言いようがない。
ビショップもBEBOPからハードバップに移行し、洗練度を増したところが垣間見え、これまたスインギーなナイス・ピアノである。
当時からピアノ・トリオの廃盤傑作、5本指の一つと言われたのも頷ける。

モノ盤は今や破格の相場である。
その意味でもステレオ盤は音質に魅力もあるのでオススメである。


(売れてしまいました。)

All night Long
2018/03/17

昨日が、All Morning Long なら、今日はそのつながりということになる。

病院の夜明けを待つ時もながいが、暗闇の夜はもっと長い、不安、後悔、を己の中に抱えながら、少しでも開けるのを待つ。
今日はきっと少しは楽になっているに違いない。
かすかな希望を持って。

All Night Long

All Morning Long
2018/03/16

副鼻腔炎がいよいよどうにもならなくなり、大学病院を紹介され手術をした。

入院中はなんとも言えない刑務所ではないが、自由を奪われた施設であることは間違いなく、そこで私はベットというたった一つの小さな居場所を与えられた。
そう言ってしまうととんでもない場所のようだが、だがそこは、私いや私たち患者を救ってくださるチームがありスケジュールに従って逐次仕事をこなしている人たちがたくさんいた。

夜寝るのが早いせいで夜明けに目が覚めると、幸いなことにベットの位置が窓際だったので、看護婦さんが下したブラインドをそうっと上にあげ、空が明けて行くのを眺めているのが楽しかった。
しかし、その時間の長い事。

起き出して朝焼けの写真を撮った。
思えばPRESTIGEレコードの有名盤ではないが、まさにオール・モーニング・ロング。



ねこやなぎ
2018/03/15

車で近くをドライブして、横浜の港北ニュータウン付近に散歩に行った。
池がありその淵にネコヤナギが花を咲かせている。
この花は、派手な方が雌花で、銀色の猫の毛のようなものが雄花である。
写真は雌花ばかり映ってしまった。

私のいなかでは、イネコロと呼んでいる。
何故か知らぬが可愛らしい呼び方で、個人的には気に入っている。

しっかり春である。



 
    いねころと 故郷は呼ぶなり ねこやなぎ






HPリスト
2018/03/14

次回HPリスト明日(3/15)更新予定となります。
何卒宜しくお願い致します。

急に春に...
2018/03/12

ここのところ急に暖かくなってきた。
テレビの天気予報で明日は寒さが戻ると言われていても、翌日になってみると今までとは違った暖かさがある。
東京の三月の春は、行きつ戻りつの春の日が微笑む。

そう思って思い出していたら、ヨーロッパの春を思い出してしまった。
といってもヨーロッパは日本のように春が来て、初夏になって、夏になってというゆっくりと季節感が移り変わることはなく、一気に春・初夏となる。
もちろん3月は冬のままで、ヨーロッパの人々のようにちょっと意地悪な雰囲気を漂わせ、じらせているのだ。

それが5月になると突然、草は石畳の間からも顔をだし、木々は青い葉をまとい、太陽がきらきらと光が街の隅々まで照らす。
人々はまるで、今までと人が変わったかのように、いや気が違ったかのような明るい顔つきになり、恋に落ちたかのようにソワソワと落ち着かなさそうである。

そんな時、彼らは我々日本人にはない遊びの心はこうして生まれるのだろうかと思ったりもした。
もちろん夏になれば我先にと旅行に出かけてしまい、せっかくの夏なのに、パリは、パリだけではなく、ストックホルムでもどこでも、さぞ楽しかろうと思われる街がひっそりとして、商店のドアは閉じられ、まるで絵画の中の街角のようになる。
私などは、彼らが自分たちのホームタウンの夏の一番素敵な時を人々は知らずに生きているのだろうかと不思議な気持ちになるのであった。

いや、人の国のことなどどうでもよい。
今年も春が来る。

フィオーレの森
2018/03/11

田園都市線の溝の口駅からちょっと歩いて音大で有名な洗足学園の近くに、フィオーレの森という商業施設が集合した一角がある。
以前から来ようと思っていたのだが、どうしても場所が見つけられなかった。
というも、教えてくれたオーディオ仲間が私に、「ブラームスの小道」だと教えてくれたからである。
ネットで探してもそんな場所は原宿にあるらしいのだが、溝の口という場所にはカスリもせず諦めていたのである。

それが話の端々に出てきた、カフェ、結婚式、マンション等を思い出し、検索にかけたら「フィオーレの森」が浮かび上がり、語呂からして多分それかとなったのだ。

友人の話を思い出すと、原宿のほうはモーツアルトの小道というのだが、それらを設計した人が同じ人物だというのである。
年齢ゆえに、何がなんだかわからなくなったが、まあ、なかなかの素敵な小道とレストラン、カフェがあって、小さな散歩が楽しめる。
溝の口はそもそも一杯飲み屋がひしめく、ちょっと汚い、いや妙に落ち着く昔からの労働者階級が多い面白い街であった、それが駅ビルだのなんだのと、ここもまたリトル東京化を急いでいる、没個性な街に変貌しつつある。
なんだか、うれしさも中くらいというやつか。

家の猫
2018/03/09

ウチには2匹猫がいる。
その一匹は黒猫で名前をブルーという。

それが骨折以来すっかり甘えん坊になり、お母さんを追いかけてばかりいる。
今朝もお母さんが出かけてしまって、淋しそうな顔をしている。

福寿草
2018/03/08

庭を見ると、黄色い福寿草が咲いている。
福寿草は、それまで葉っぱ一枚も見せず、地面に全く何もなかった場所に、いきなり芽が出て来て黄色の花を咲かせる。
もう30年以上も前から我が家の庭にあって、今年はもう消えてしまったかと心配していると、すっと出て来て、すぐに葉が伸びたと思うとやがて跡形もなく消え去る。まるで渡り鳥のような花である。
きっと北の国へ帰るのだろうかと不思議に思う。

地面に咲く花ゆえに、梅などよりもずっと春の到達が目に染みる。
今年も春が来る。



FRANK SINATRA “CLOSE TO YOU”
2018/02/15

FRANK SINATRA “CLOSE TO YOU” CAPITOL W-789 (USA)

オリジナルのグレイ・ラベルで音が良い。

さて、このアルバムを探そうとすると意外に見つかりにくい。
といっても探す人などあまりお目にかかる事もない。
そこの所を書こうと思って、まずは三具さんの書かれたシナトラ本を読んでしまうと、本当の事が記されていて、なんだ私が書くことも無かったかと、ガッカリさせられるのだが、一応本の内容を紹介する。
「シナトラの数ある作品中、最も評価が低い物は?と問われれば、迷うことなくCLOSE TO YOUを挙げる。注目される事もなく、キャピトルの中で真っ先に廃盤・カタログから消えたのは、日米とも同様である」と。
しかし、次の言葉で救われる。
「このアルバムが面白くない、また水準以下かと言えば、これは断然否である」と。
結論が出てしまった感があるが、ここで気を取り直して先に進む。

私が昨日、値段を付けるために聴き始めて、なんという素敵な作品であったのだろうかと、ちょっと驚いた。
何しろ、ジャケットもあまり目に飛び込んでくるような印象ではないし、ネルソン・リドルのアレンジなのだが、しっとりし過ぎと言いたいほど、しっとりして派手にスイングする処もない。
しかし、それが非常にすーっと心に入ってくるのだから不思議なものである。

冒頭の「Close to you」
いつも君のそばにいたい、という切ない思いが聴く人の胸にしみる。

「Everything happens to me」など、しかし、私はうっとりするような素晴らしい曲に耳を傾けていて、ふと気が付いた。詩を写すとこんな感じ。
Black cats creep across my path.......。黒猫が私の前をゆっくり横切って.....。
ありゃりゃ、これって私の家の黒猫だ、おまけに私が家に帰ったら二階から落ちた。
I've telegraphed and phoned, sent an Air Mail Special, too
You answer was "Goodbye", there was even postage due
電報も打った、電話も掛けた、エアメールも送った、しかし君の返事はグッドバイ、しかも料金不足の郵便で....
と他人から見ればどうでも良い片思いを、自嘲気味に歌った歌を、シナトラは丁寧に歌う。
本人には至って悲しい歌だけに、聴けば聴く程余計に可笑しい。私が家内から「あなたは疫病神」と言われたのが思い出される、という実にハマってしまった、よくできた歌。

そして、私が一番好きなのは「It’s easy to remember」
思い出すのは簡単さ、だって忘れないんだもの....。
という悲しい恋の歌を、シナトラは本当に聴く人に同調するように歌う。
切ない思い出を持って聴く人にはたまらない。

派手さはないが、失恋経験のある人には聴けば聴く程好きになる、シナトラの真の実力が出た玄人好みの傑作なのであった。

しかし、失恋経験あって、かつ玄人というと、そうそう聴く人はいないという事か?

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