テレビの時代劇 | - 2019/01/10
- ほぼ一年、長い事仕事を休んで家でテレビを見て過ごした。
といってもCSや取り溜めたDVDの時代劇である。 観て思ったのだが、俳優は星の数ほどいるのだが、時代劇のスターらしいスターという人は、意外な程、数が少なかったという事である。
近年の時代劇においては、まず着物姿が似合っていない。 若手は、総じて着物を着せられない。 時代劇をやるなら覚悟を決めてからと言いたいところである。
それで、この人は良かったなあと思い出していると、比較的に新しい方から遡ると藤田まこと。 剣客商売での演技が抜群、もっともこの作品では音楽が良くてオープニングから画面に引き込まれてしまうので、実に気持ち良く見ることが出来る。しかも、池上正太郎の話が面白いし、景色が素敵。 顔の表情も、溌溂としていながら初老の男の顔の影も上手く出しており見事、山口馬木也の剣士の風情の良し、寺島しのぶの武家の女の淑やかさとかつ腰の据わった剣士という絶妙な雰囲気を醸し出して、梶芽衣子の色気が素敵、これほどの役者がそろった時代劇ドラマはもう出来ないだろう。 鬼平犯科帳の中村吉右衛門もいいなあ。この方は親子2代の出演で、昔はお父さんの方が良いなあと思っていたが、回を重ねる事に、息子の方が好きになった。時代劇とは言え、やはり現代の社会性が反映するもので、そういう意味において新しい作品の方がしっくりくるのは致し方ない。 それにしても、もう一つ、密偵達が池波正太郎の劇に決まりの梶芽衣子、三浦浩一、江戸家猫八などいい感じである。 音楽のジプシー・キングス『インスピレイション』も上手く使ったものである。 とにかく池波正太郎の作品はテレビを見ていてもお芝居を見ているような感じである。辛さ・みじめさをくどくどと説明しない。サラッとやってハイライトにさっと移る所なんか観客の気持ちを分かっていいてくれる。 その点藤沢周平の方はちょっと人生の辛さの説明をし過ぎる、それは戦後までの時代の辛さを解っていない観客に、必要だからなのであろうか、生より死の方楽だと思った事のない世代には無理からぬ事か。 まあ、藤沢はモロ現代劇である。 暴れん坊将軍、の松平健も良い。何しろハンサムである。 加藤 剛の大岡越前も良い感じ、実直でちょっと知的な大岡の役は時代劇にぴったりである。 それからちょっと古くなるが、三船敏郎が良い。世界の三船と言わるのも頷ける風情である。 この方はセリフが無くても、いるだけで時代劇そのものの雰囲気が出て、身体から哀愁が漂う二枚目である、それでいながら、くすっと笑いたくなる可笑しさも持っていて、その辺りが可愛らしさなのだが、大衆性を持った見事というか、生まれつきの才能ある役者といった所か。 昔から三船は大好きだったが、改めて古い映画も見ると、また好きになってしまった。 もちろん勝新太郎も良い、いやいや、きめ細かくて凄さがある。お前さん江戸時代の産まれかい? 古い所は大川橋蔵はじめ、萬屋金之助、東千代ノ介なんか大好きだね。 昔の時代劇,昭和の良い時代の俳優はみんな良い。 女優も良い、着物がしっくり似合って色気が漂うんだもの。
最近の俳優は体つきが変わったのか、外人が着物を着たような感じでいけない、足元がね、いけねえやね。 有名スターも最近の方は体形が良くなったせいだね、足が長すぎては もういけない。 NHKはオカシな放送局で、視聴率をなぜ気にするのか、その時その時の人気役者を使う。だが、後から見ると、大体が時代劇に合わなくて、画面のぶち壊し、オジサン怒って画面を壊してしまう所である。
いや、日本は時代劇の専門の役者を育てないといけないな、しかし、女優など整形していない女は居ないらしいが、時代劇の良い顔の女がいるのかね。 言葉遣いもね、あれはいけない、これはいけないと文句を付ける集団もあるらしいな。 もう、だめだな、終わったな。
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