HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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消費税 軽減税率
2016/02/22

消費税 軽減税率が細かく決め過ぎているようだ。
先日も国会の質問で、店内で食べるものと、持ち帰る商品を一緒に会計する場合、一体どういう計算かという事になり、財務関係者が返答に詰まってしまったようだ。

そもそも、大店法の改正で、大企業ばかり優遇し、日本中の商店街の中小の店舗を廃業に追い込み、街をシャッター通りにした責任を感じてもらいたい。
かつて選挙の際には、街の発展を願って商店の二代目達が一生懸命に自民党の先生方を送り出していたのだが、その中小の商店主たちに対して、恩をあだで返した大店法改正。
その時の反省など、どこ吹く風、平気で消費税10%とはよく出来るものだと、私など呆れ果てる。
それで困ったのか、軽減税率だというから、基本的な生活用品・食品は税率が0(ゼロ)かと思えば、8%だというから、本当に呆れた。
消費税値上げは、大企業にとって実は却って有り難い話だが、中小商店には売上激減という命が掛かったトンデモナイ政策なのだ。
おまけに、外国人向けの「免税店」の許可を得て売り上げがあるのは大手ばかり、中小はその恩恵もなく、競争相手にもならない。
政府自らが大手企業優遇を推進している。
そもそも「税金」の最も重要な点は、その「公平性」にあるのだが、この不公平感はなんだ。
そんなひどい国があるものか。

財務省よ、麻生君よ、いい加減にしなさい!
自民党も憲法改正で票が欲しければ、消費税値上げ中止を言えば、人気取りには効果が大きいけどなあ。

DEXTER GORDON “DADDY PLAYS THE HORN”
2016/02/21

DEXTER GORDON “DADDY PLAYS THE HORN” BETHLEHEM BCP36 (USA)

さて、久しぶりの名盤の入荷。
これはレア盤である。
これも最近は彼の作品の中で一番人気だという、昔では圧倒的にBLUE NOTEの一連の作品だったが、こちらの方が今のリスナーには良いらしい。
聴けば勿論、最高のバッパーたる面目躍如のブローが展開される。
だが、この作品を聴くと私などは、おやっという感じになる。
ジャケットは大変にモダンであるが、ブルーノートで育った私には、この演奏がビバップの雰囲気が残っているから。
それで、年号を改めて見てみると、1955年。
なるほどなあ。

彼はビバップの最高のテナー奏者として華々しく、歴史に名を残した。
40年代の作品のディスコグラフィーには膨大な数のセッションに参加している。
引っ張りだこだった事がよくわかる。
それが50年代になると、アメリカの社会の浄化運動というのか、そのドラッグの関係で警察に厄介になると仕事が出来なくなる。そのせいか、人生の良い時期なのに愕然とするほど録音がない。
50年代のデータを見ると、リーダー作は、DOOTONEの一枚とこれしか見当たらない。
あとは、WARDEL GREYとの共演物が50年代にちょこっと発売されていたに過ぎない。
警察など、自分の点数だけで他人の人生など知ったこっちゃない。それは分かるが、せっかくの才能を持っているのに、神様もまた残酷な仕打ちをするものである。
しかし、彼が不運かと言うと、それは違う。
60年代に入ると彼も40歳。「40にして立つ」ということわざ通りになったかどうか知らないが、怒涛の快進撃。
BLUE NOTEの録音から、進撃の巨人となって甦るのである。
男っぷりの良い豪快テナーサックスとは彼の事で、70年代に入っても仕事はいくらでもあるという様子。
人生、考えを変えればいくらでも道は開けるのである。
遅すぎるとこなどひとつもない。

というところで、そんな流れを考えると、50年代の作品は、彼の音楽性を探る上に於いて、非常に重要で、もう一枚のDOOTONE盤の原盤ともども「幻の名盤」のトップクラスとなってしまうのは致し方ない。

しかし、このジャケットは良い。
ジャズっぽくはないのだが、なぜか親父がいて、片手に大きなテナーサックスを持った、それも眼鏡を掛けた普通の親父である。アメリカにいそうな日曜日に半ズボンをはいた、それもシャツにはリボンタイという妙なお洒落な親父である。いや、良く見ると親父だか、ガキだか良く分からない所もあって、父っちゃん坊風とも言える、実に生意気そうな白人の不細工な男である。
それがこうして絵になり、ジャケットになった瞬間、押しも押されぬ立派なジャズを代表する作品になった所が、実に愉快である。
あの時期、決して身体的にはもちろんの事、精神的にも決して万全では無かった時に、よくぞ立派な仕事を成し遂げたと、感心せずにはいられない。

いやあ、ジャズのレコードって、いいねえ。


THELONIOUS MONK “UNDERGROUND” 日本盤 
2016/02/20

THELONIOUS MONK “UNDERGROUND” 日本盤 CBS/SONY SONP-50007

多分、日本初出の番号ではなかろうか。
何だか入荷して嬉しい日本盤。
それはこのアルバムの裏ジャケにある。
アメリカ盤とはちょっと、いや、かなり異なっていて、裏に植草甚一さんがエッセイを書いているからである。
その文章がモンクが好きな人なら思わずニコっとしてしまいそうな、ジャケットの良さも誉めていて、モンクに対して親しみを感じさせてくれる。

私はオリジナル嗜好なので、少々音が悪かろうが、オリジナルを好ましいとしてきた。
しかし、こういう日本独自のジャケットデザインを見せられると、これまた触手がうごいてしまうのだ。
このアルバムなどはそういう意味では合格点の満点の一枚であった。

昔、自分で売ることもなく持っていたのだが、店を始めた時に売ってしまった。
それで、又どこかで見つけたら買おうと思っていたのだが、自分でレコード屋になったので日本のレコード屋には滅多に行かなくなった、というわけで日本盤を見ることがなかった。
今回の入荷は日本盤であり、しかも、シュリンクが付いているので、帯もある。
帯は表から見ると横帯で、裏になるとなぜか縦帯という事になる。
いいねえ。

CBS/SONYのレコードの事は滅多に誉める事がないが、これだけはいいかな。
しかし、それにしても、この迫力のあるジャケットのデザインはどうだ!
見ていると、人生に希望が持てるな。
うん。


JOHNNY SMITH “MY DEAR LITTLE SWEETHEART”
2016/02/19

JOHNNY SMITH “MY DEAR LITTLE SWEETHEART” ROOST LP2239 (USA)

別にどうという事など無い作品でもあるが、何故か手元に置いておきたい。
これはジャケットによるものが非常に大きい。
可愛いらしい5歳くらいの女子の横顔のポートレイトで、真剣なまなざしがよい。
タイトルがとても素敵で、女の子を持った父親が羨ましい。

1960年の作品で、バックにストリングスを入れてある。
オーケストラは専門に任せて、彼はギターのアレンジをしたとなっている。
言ってみれば、コンチェルトを作った事になる。
世間に誇れる立派な仕事である。
ところが、このアルバムはいつも彼の作品とはちょっと違う、非常に個人的な臭いがする。
愛情が溢れすぎている感じがする。

私は残念な事にというか、幸いな事にというか、女の子を持った事がない。
ゆえに、女の子を持った父親の気持ちはこんなものだろうかと思う。
そう思うと何故か、自分もそういう環境にあるところを想像してしまう。
男の子だって子供の頃は可愛かったのだから、それから想像していくと、きっとこんな気持ちになるに違いないと思うのだ。
愛しい我が娘の可愛らしさに、胸がいっぱいになるのではなかろうかと。
男の子ではスイートハートとは言えないが、それが女子で、それもこのジャケットの絵の中の子供だったら、もう父親としてはまさに「リトル・スイートハート」と言いたい。
彼に女の子がいたかどうかは知らない、しかし、これは考えると、そうであったに間違いなさそうである。いや、そうであって欲しい、そうで無ければ私の気持ちが困る。
これは、ジョニー・スミスの、自分の娘へのプレセントの作品である。
或いは同じ様な父親たちへのプレセントでもある。


女の子を持った父親って、羨ましいなあ。
でも、その内に中学生くらいになると、お父さんは汚いなどと言われるようになるんだな。
かわいそうに、へへへ。

AUDREY MORRIS “FILM NOIR” & "AFTERTHOUGHTS"
2016/02/17

AUDREY MORRIS “FILM NOIR” FANCYFAIRE FF7845 (USA)
AUDREY MORRIS "AFTERTHOUGHTS" (FANCEY FAIRE) (USA)

一緒に入荷した2枚のアルバム。

暇があると、時々売り場から持って来て聴く。
なかなかのボーカルである。
それなりにずっと弾いて歌って来た人なのだろう、と思う。
なぜか、この2枚はそんなに有名な曲があるわけでもないが、聴いていて、また聴こうかなという気になる。

それで思ったのは、人間、歳を取るとロクな事はない。
しかしだ、しかし
「ジャズ・ボーカルに年齢は邪魔しない」という事だった。


(左の写真はシュリンクがあるので、写りは悪い)

ここの裏のイタリアン
2016/02/16

この前、夕食を食べようとして、せっかくだから近くの店という事になり、裏にあるイタリアン・レストランに入った。
元コンビニのampmが入っていた場所だけの事があって店内は広い。

注文する事になって、チキンの腿肉焼きを頼むと、ウエイトレスが「50分かかりますが...」という。
「じゃ、カモ肉で」
「それも50分かかりますが...」
「じゃ、ステーキとか他の肉料理は」
「それも50分です..」
そこで、やっと納得、作りたくないという事が。
他の物を注文しようとすると、「それは終わってしまいました」。
呆れて、ゴンルゴンゾーラのペンネを頼んだものの、しばらくして、ようやく出てきたものは、あらまあ!塩辛くて食べられない。

そう言えば隣に座った客も「まじかよ、これも出来ないあれも出来ないって、何にも食えないジャン」と呆れていた。
厨房を見れば、相当数のコックさんがいっぱいいる。
私も若い頃、アルバイトでコックをやっていたけれど、いくらなんでも注文を聞いて50分は聞いた事がない。
焼き物で50分はないわな。

改めて客層を見渡せば、若者だけ。
オジサンは行っちゃいけなかったのね。

マッキントシュ275の事
2016/02/15

アンプを2・3日使用して思った事。
しばらく鳴らしていると部屋に馴染むというか、なんとなく鳴りが良くなってきた。

それで、まだ他にも方法があったのではなかったかと、思い立ってアンプの斜めの部分を眺めていると気がついた。
このアンプの長所はアンプのボディの左側が斜めにカットされたデザインになっていたからこそ、購入したようなものだったのだ。モトエ。
使用電源が117Vと125Vと切り替えがあったのだ。

それならば、たしか持っていたはずだと部屋をさがし棚の奥の方から見つけた変圧器を引っ張り出し、110V・117V・120Vの取出しがあったので、一番低い110Vに接続。
すると、更にシャキット感が出てきた。

当初のアンプはこういう切替があったのだ、その後は日本仕様が現れて100Vに固定されたのだが、こういうのはアメリカの状態に近づけると良い。
ずいぶんと異なる音になって驚いた。

気がついて良かった。
でも、そろそろオーバーホールに出さないといけない。
実験はそれから。

DONALD BYRD “BYRD'S EYE VIEW”
2016/02/14

DONALD BYRD “BYRD'S EYE VIEW” TRANSITION TRLPJ-4 (USA)

トランジッションと言えば幻の名盤がずらっと並ぶ、レーベルもまた幻の名門。
セシルテイラーの「ジャズアドバンス、などはかつては筆頭に揚げられた。
その中のドナルド・バードの作品は幾つもあえい「ビーコンヒル」とならぶ人気盤でもある。
完品なら30万はするというもの。
それが、なんと、片側のラベルが剥がれてしまって無いという状態である。
せっかくブックレットが付いているのに、残念なことである。

このアルバムは厄介な事がいっぱいあって、まずラベルが剥がれてしまう事、剥がれてもジャケットの中にあれば良いのだが、大概はどこかに紛失している。
更にライナーを書いた物がブックレットになっていて、魅力的なのに、それが大概紛失してない。
またジャケットの紙が弱いのか、大概はジャケットの上下が割れている。
それまで完璧だとして、盤を聞いてみると、「音割れ」するものばかり。
盤質も良くないし、悪い針で聴いたりしていて溝が傷んだ物が多い。
こういう厄介なレコードなのに、今回のは若干傷があるだけで、音割れなどない。
ジャケットの正面に綺麗な状態。

それが、たった一つの欠点だけ、片側のラベルが紛失しているのだ。
その分、安価なのだが....。

なぜか受けないんだなあ。

買付
2016/02/13

当店の仕入部長が買付で出張。
しばらく私一人で店番。

一人でいると時間が束縛されるので、好きな喫茶店にも行けず、その分精神的に疲れて仕方がない。
サボってコーヒーを飲みに行きたいなあ。

真空管 KT88
2016/02/12

実家に置いたままになっていた、パワーアンプ「マッキントッシュ275」。
20年もメンテナンスもしていないし、どんな音か使ってみたい事もあったので、持って来た。その時に押し入れに、真空管KT88の箱がいくつも出て来たので、調べたら4種類もがあったので 一緒に持ち帰った。
若いといえよくもこんなに買ったものである。

1.GEC
GECという青いシールが貼ってある。中の一本は焦げて黄色くなっていた。
これは275を購入した時に既に着いていたものである。元箱はない。

2.GOLD LION
黄色の文字でGold Lionと書かれている。箱を開けてみると、中に一本づつ検査票が入っていて、会社名を見ると M-O Valve Co. Ltd. Made in Ukとなっている。当時、お店のお兄さんが、GECを着けてくれ「取りあえずこれが付いているけれど、もっと音を良くしたかったら、こういうのがある」と教えられたのである。
ベースが茶色なので、私がアンプを購入した時期から想像すると、多分70年初期のものであろうか。

3.GOLD MONARCH
これも、私が当時、ゴールドライオンと一緒に購入していたようで、こんなものを仕舞ってあったとは思わなかったが、見つけた時は驚いた。今は随分入手が難しいらしい。
赤と金色の箱に2本づつ紙のテープで巻かれているので、隠れてしまい、会社名は良く分からないが、Mide in UKとなっているが、箱の会社名はNew Yorkとなっている。
まあOEMというものだろうか。ここまでは皆 英国製である。

4.6550
それに、なぜか6550もある。これだけが米国製である。
これは知合いから購入したものだが、2本が茶色ベース、2本が黒ベースでがっかりしたがまあ仕方がない。
音は悪くないが、2本づつの音色がちょっと違うので、テストとしては問題外だった。

色々試した結果、一番音がシャキッとするのはゴールド・モナークである。
友人の話によると、昔「五味康祐がゴールド・モナークでなければMC275は買わなかった」と言った、という話があるとか。なるほどという事である。
但し、この辺りの真空管は、どれもゴージャスな音になっていて、音量を12時あたりで聴けば、どれもそれなりに悠然として金持ちに相応しい大人の音として、実力を発揮する。
わかるかな?
すなわち、この275というアンプがアメリカの金持ちが天井の高さ3m以上、非常に広い部屋で大型スピーカーを堂々たる音で鳴らすためのものである事が良く分かった。
当時、雑誌に騙されて、最も日本の狭い部屋に向かないこんなアンプを買った私が馬鹿だった、とつくづく思った次第である。
現実はダイナコでも良かったのになあ。  あはっ!

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