HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。

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結婚にまつわる話
2015/06/20

知合いの両親の結婚の話で、本当にあった話。
父とか、父の父とか出て来て話が解りにくいと意見があったので、解りやすく名前入りで。

知合いの父親、和男(仮名)は北海道の港町の出身である。
成人し大学も出てやがて、北海道選出の議員の秘書になった。
そこで出入りしていた道庁に、「江梨子」という美しい女性が働いていて、恋に落ちた。
しばらく付き合い、やがて結婚することになった。
お互いの両親に紹介し、認められ、いよいよ結納という事になった。

和男と父親は江梨子の家を訪ね、互いの両親が顔を合わせたその瞬間。
彼等の父親たちは、互いの顔を見て、相手が誰だかはっきりと解った。
間違いなく知っている人物だったのだ。

和男の父親は商売人で一旗揚げると若い時に北海道に渡り、様々な仕事に手を出した。
様々な仕事に手を出したという事は、良い時もあれば悪い時もあるという事である。
良い時には、小学生の子供ながら当時オメガの腕時計を買ってもらった事もあるそうだ。
家も御殿のような立派な家だったそうだ。
悪い時には、離れのような、狭い一部屋の家に住んでいる事もあり、多くの事業に手を出したりちょっと灰色のビジネスにも手を出した事がある、激しい浮き沈みの人生だった。

一方、江梨子の父親は、警察署勤務で刑事から署長にまで勤めた立派な人物であった。
こうして書いていると、浮き沈みの激しい人の方が、紹介する文字数が何倍も多くなってしまう。
モトエ。

江梨子の父親が最初に声を上げた。
「あの時のお前じゃないか」。
刑事だった父親が驚いたという事は、まさか刑事と犯人という事になってしまうが...。
正に、その通りだったのだ。

これほどの人生の偶然という事があろうか。
だが、犯罪と言うには犯罪らしくなく、娘を嫁がせるには気にしなくても、そのまま良いではないかと思ったという事である。

和男の親が、終戦時、商売人として手掛けた事は「闇商売」。
米を仕入れたり酒等を仕入れたりしたので、それで、摘発され刑事に捕まっていたのだ。
当時、ヤミは沢山あったので、今後気を付けて下さいという事で終わったらしい。
それが互いに覚えていた上に、子供同士結婚するという何とも不思議な巡り合わせだったのだ。

元警察署長が婿に「娘を捕まえたら絶対逃がさないように」と言ったかどうか聞かなかったが、「娘をよろしく」と言う話で落ち着いたそうだ。

知合いはこういう話を、母が死んだ悲しい席で、初めて父親に聞かせられたということである。

バリレラのカートリッジ
2015/06/19

バリレラのカートリッジ。
今月は、バリレラのカートリッジをずっと聴いて来た。
ヴォーカルには良い。
生々しい音で、人の声をうまく表現してくれる。
探して来て良かったなあ、と思いながら、毎日聴くのが楽しくて仕方がない。
こういう時は正解だった時である。
只、一つ言えば、こういう物はすべてが良いわけではなく、ちょっと行き過ぎだったりする時がある、しかしプラス・マイナスを考えれば正解だったという事である。
全部に良いものなど、この世に無い。

それで、製品の誕生がどういう経緯だったか、調べようと思って雑誌をペラペラ捲っていたが、大概はGEのバリレラの事が書かれていて、タンノイの話はない。個人的に資料も持っていなかった。
それで、書く事が無くなってしまった。


それで、雑誌に戻って。
雑誌の試聴欄を見ていて気がついたので、ケチを付けると。
いくら試聴と言えど、バリレラの試聴に61年からの発売のレコードやその後の日本盤での試聴ではなく、できれば50年前半の、アメリカ等で作られた10インチ盤等でやって欲しかった。
そうでなくても、最近は評論家の先生方の、そのあたりの音源の選択が、読者から、改善の余地ありと指摘されるところである。

試聴に使用するレコードの選択があまり無頓着だと興味が無くなる。
特にジャズの場合であるが。


ちょっとめげる。

安全保障関連法案
2015/06/18

今、国会とテレビにおいて、ホットな「安全保障関連法案」。
分かりにくいのでちょっとまとめてみた。
憲法解釈云々の学問的で非現実的な話には触れない。
学者の話など勝手にやってろ!どうでも良い。

テレビから伝わってくるのは、集団的自衛権と、他国軍への後方支援を明文化したい法案であって、反対したいと。
名称は「平和安全法制整備法案」と「国際平和支援法案」である。
前者は自衛隊の出動のこと、後者は集団的自衛権であり国際紛争を押えるために「他国軍への後方支援」のため自衛隊海外派遣を目的にしたものである。
野党およびテレビは「戦争法案」と呼んである、法律を作るとすぐに戦争になると反対している。
法律を作るとすぐ戦争になるんだ、面白い解釈をするものだ。
ここで良く見ると、後方支援となっていて、他国軍と行動を共にするわけではない。
な〜んだ、という気もしてくる。
戦地に行って、後方でちょろちょろ仕事をするだけだと。
戦争にもならない話である。

テレビの報道はどうも「戦争反対」「戦争が悪い」という論点の一つである。
戦争は悪という、戦後一貫して我々が学校でも社会においても教育されてきた戦争反対運動は、今大変大きな足枷となっている、
たしかに太平洋戦争および戦後のモノ不足などで苦労をしたのであるが、なにより学校で習った事は、日本の兵隊たちが悪かった、故に、兵隊さん憎しの感情で軍隊はイカンと。

しかし、日本が川向うの国にお金を払わなくなった途端、領土をよこせと言う話が出て来てしまった今、戦争反対といつまでも叫んでいる訳にも行かないのが現実である。

ヨーロッパはNATO北大西洋条約機構があり、集団的自衛権を行使しているが、かつては、それに対抗し東欧とソ連によるワルシャワ条約機構もあった。
そうやって世界中の国が、なんとか上手い仕組みを作って領土を守ろうとしているのに、日本だけが、私をアメリカが守って当たり前、だと言っていて良いか?
日本に取ってかつての東西対立があってこそのアメリカで利用価値はあった、しかし時は移り、国際社会においても経済優先となり、アメリカと中国は最近結構仲が良いのである。
こうなるとアメリカが無条件で日本を守る筋合いはない。
利用価値がある方に着くのが国際社会というものである。
クリミア半島、中東情勢を見れば、自国の都合で動いているではないか。
日本も自分でやったらどうかと言う、単純な話である。

ここでもし日本と韓国が竹島で一戦を交えるとしたら、どちらをアメリカは取るか?、考えてみた。
まず日本とは、第2次大戦で敵味方に分かれて戦って以来、一度も行動を共にしていない。
しかし、韓国軍とは朝鮮戦争で共に戦い、更にベトナム戦争で共に悪巧みを組んだ仲である。
どちらが気の知れた間柄かというと、これは、相手に軍配があがる。
それなのに、日本をアメリカが守るなど、本当に信じているのか。
日本には、戦争するなよと抑え込んでおけば、アメリカとしてはやり易いのである。
ポチと言われる所以である。

自分の国を守るという事の意味を問い糺す時が来た。
中国の南シナ海のおける展開のスピードは恐ろしいものがある。
実際、フィリピンなど米軍が撤退した後いきなり行動に出た。
ベトナムなど、同じ共産国の友人だと思いきや、いきなり領土奪略。
戦う気もない国がどういう目にあうか、学んだはずである。

次は東シナ海、その次は西太平洋とはっきりと明言した通りである。
日本人は境界線の解釈問題だと思っているが、あちらはたんなる領土拡大の一環でしかない。
もう、国家感が違う。

以前、中華料理屋のおじさんの「領土拡大のために一千万人が死んでも止むを得ない、それは国民みんな思っている」という話が思い出され、なぜか胸が騒ぐ。

戦わない者に応援する者がいないのは、この世の常識である。

オーディオ・ラック
2015/06/17

オーダーしてあった、オーディオ・ラックが届いた。
古い棚の移動、搬入、アンプなど入れ替えで一日掛かった。

ラックの材料は「タモ」の無垢板にした。
塗装は手塗りでやってもらった。
思った通りの色が出ず、3回塗りで一月間も掛かった。
スピーカーの色と同じにしたかったが、色見本で注文したためか、スピ−カー・ボックスのこげ茶の色より、赤っぽくなってしまった。
見本だけでは難しい事が分かった。
でも、両方とも手塗りだし、まあ良いか。

音を確認すると、今までより大人し目になった。
そんなものかな。

ローンの借り換え
2015/06/16

知合いが法律の先生に聞きたいと言うので、取りあえず私が最初に聞いたみた話。

「10・20・30というコマーシャルを見たので相談したいんだけど」
10・20・30という言葉が市民権を得ているのが可笑しい。
「サラ金?」
「そうじゃなくて住宅のローンの話」
「高利の金でも借りたの?」
「以前ローンを組んだ、借り換えにしたら今までの金利の差額が却ってくるのかな?」
「いや、却っては来ないよ、グレーゾーンの時の話だから」
「じゃあ、毎月の支払いが安くなるなら借り換えをしたい」

という相談だった。
これは銀行に行って相談する話だけど、一応取り次ぐために聞いてみる。
先生が、年齢、仕事の有無、年収、ローンの回数、残債などを加味して考えてくれた。
60歳過ぎているし、仕事も殆どしていないので、借り換えは難しいですよ、と。
先生が付き合いのある銀行にも訊いてくれたらしいのだが、仕事がなく年収も少ないと難しいですね、となった。

ローンの返済で悩んでいる老人は多い。
かつての会社勤めの年収で組んだローンだが、会社をリタイアすれば収入は途絶え、年金だけでは払ってゆくのも難しい。
せめて、借り換えで金利が安ければという考えになるのも当然である。
しかし、客側は借換えというのだが、銀行にすれば新たなローンを組む話である。
したがって、現在の資産に応じたローンを設定する事になるのだが、収入が途絶えてしまった今となっては、銀行は貸すことは出来ない。そういう事である、
かと言って、じゃあ、なんで貸したのだと怒っても、そのシステムのお陰でローンが組めて家が手に入ったのだ。
今更文句を言っても仕方がない。
であるから、退職金で完済が出来ないのであれば、会社にいる間に借り換えなり、住み替えをしておかないといけない。
結局は今のマンションを売って、もっと安い所に住み替える話だね、となった。

老後はそれなりにシビアな生活が待っているのである。
いつまでも働こうね、我々の世代は。
大変な世の中だね。

THE JAZZ COURIERS (RONNIE SCOTT&TUBBY HAYES) “IN CONCERT”
2015/06/15

THE JAZZ COURIERS (RONNIE SCOTT & TUBBY HAYES) “IN CONCERT” TEMPO TAP22 (UK)

10何年前に、ディスク・ユニオンの管理職が「テンポ・レーベルはイギリスのブルー・ノート」だと大宣伝をして、マーケットを煽った。
そのお蔭で我も我もという騒ぎがやって来て価格は上昇、あっという間に一時はテンポ盤なら、なんでも10万を超えた。
流石の影響力のユニオンだと恐れおののいたのである。
それが一通りマニアに行き渡り、更にリーマン・ショックで金融の信用失墜事件で、そのあおりを受け、急激に下落してしまった。
上がる時もテンポよく上昇したが、下がる時もテンポだけに、トントンと進んでしまったのか。
更に、最近は再発レーベルも触手を伸ばし「最後の秘境」と宣伝しまくった。
結果、廃盤でなくても再発盤でも良いという事になったのだろう。

当店にはこれが2枚も在庫がある。勿論オリジナル盤である。
盤の状態は2枚とも大変良好である。
それなのに、一向に動きがない。
そんなに大した事が無いのだろうかと、今日しみじみ聴いてみた。
ジャズ・クーリエとは面白いネーミングをしたものだ、何しろ飛脚である。
ジャズを国の隅々までお届けしようという意気込みだったのであろう。

最初のMCの声で盛り上がる。
主役はロニー・スコットとタビー・ヘイズの2テナー。
なかなかのテンションである。
このジャズ・クーリエは57年から59年まで続いた双頭バンドで人気を博した。
当時のイギリスにおいて、もう一方のトニー・キンゼイ・クインテットと人気を二分した、なにしろ相手にはジョー・ハリオットが居たのである。
ロニー・スコットもクラブ経営に乗り出し、クラブは大成功を収め現在に至る。
彼のテナーはオーソドックス・スタイルで人気があった。
それがアメリカで活躍しなかったのは薬のお蔭でキャバレーカードを取り上げられたからだという話もある。
しかし、英国にいた事が成功につながったのかもしれない。なんでもアメリカに行けば良いという物ではない、地道に母国で頑張っていた方が成功したかもしれないと思われるスポーツ選手が我が国にも多数いるのである。
モトエ。
1958年、英国でありながら、アメリカに負けないこれほどのテンションでジャズの演奏をやった事はおどろくべき事である。
シンバルの音などもオーディオ的にも好感が持てる。
曲も良いが録音も大変に良い。
なるほどイギリスのブルー・ノートとは上手い事を言ったものだと、感心した。だが、ヴァン・ゲルダーのような、あざとさは無く、自然の良い音質である所が好感が持てる。
耳触りも良く、ノリも良くて、文句は無い。

感想として、急激に価格が下がるほど、悪い内容では全くない。それどころか出来の良いアルバムである。
まあ、言ってみれば急激に上がり過ぎた結果の反動でこうなってしまった。
だが、価格が落ち着いた今、この辺りはチャンスがあれば手に入れておいても悪くはない。
と思うのだが...

ANN BURTON “ANN BURTON”
2015/06/14

ANN BURTON “ANN BURTON” DECCA BU 70017 EP (HOLLAND)

かなりのレア盤の7インチ盤(EP)である。
そして、かなりの高額盤でもある。
それは65年ながら、彼女の初レコーディングであるから。
どうしたってまだ名が売れてないので数がないのだから、今となっては入手困難である。
今やリタ・ライスと並び称されるオランダを代表する歌姫、その彼女の初レコーディングで、大変興味深いアルバム。
オレンジ色の顔写真を見ると可愛い! 早速聴いてみよう。
ヨーロッパにおいては、日本やアメリカの3分間EPと異なり、かなり長尺である。従って、EPとは呼ばないで、セブン・インチと言われるのである。
4曲入りのセブンインチは一曲目「SINGS A RAINBOW」。次は「THE WILDEST GAL IN TOWN」曲も良く声も若々しく張りがありしっかりしている。
ひっくり返し、一曲目「MISS ORTIS REGRETS」、次は「KANSAS CITY」。
落着いた歌と、元気な歌を歌ってみた。
すべて歌詞の内容をかみしめて丁寧に歌った、ややハスキーな声が魅力で、それも素晴らしい出来である。
私は好きである。

戦前の1933年に生まれた彼女は戦争時代も知っている。何と言ってもオランダはドイツに占領されたのだ。
きっと人生の辛さも苦しさも子供時代から経験してきたのであろう。
戦後もそれなりに苦労したかもしれないし、そう思える歌の唄い方である。
彼女はずっとオランダで唄っていて、評価も受けていたらしいが、初レコーディンがこの時32歳の時になった。
それもデッカ・レーベルであるから、それは嬉しかったに違いない。
この頃からラジオなどでかなり仕事をやるようになっていた。
ところで、B−1の「MISS ORTIS REGRETS」を何故歌ったのだろう
これは、変なというか面白い歌で、そうだ、以前にも書いた事がある。
  ミス・オーティスは本日のランチには来られません。
  彼女は振った男を、ガウンの下に隠し持ったピストルで撃ってしまった。
  それを知った群衆が留置場から彼女を引きずり出し木に吊るしてしまった。
  縛り首で処刑される前に、そう伝えてと言づけた。
という変な歌詞である。
この歌は、木に吊るされて死んでゆく美人の話ではあるが、良く考えて見ると、歌っているのは召使である。
吊るし首が平気で日常的に行われているような雰囲気も伝わって来るからには、南部のある街であろう。
その地方のちょっとした、金持ちたちのランチに招いていた女性の、男関係の問題である。
内容は、人殺しの女の「謝罪」の話で、街の「噂話」である。
何とも悠長で、暑苦しくて、かつ残酷な街であろうか。
この歌を歌っているのは、執事・召使または女中である。
それは、この街では「黒人」だった。
その召使いが、白人の誰が死んだって知るもんかと、面倒くさそうに、しかし仕事として馬鹿丁寧に報告するのだ。
それがこの歌の面白さで、召使たちがどういう風に報告するのかが見ものなのである。
故にエラ・フィッツジェラルドなど実に巧みに歌ったとも言える。

さて、アン・バートンが、そういう黒人ジャズ・ボーカルに挑んだのがこの歌では無かろうかと、私は思うのである。
エラだけでは無いと、私だってそのくらい、歌って見せると、勢いがあったのである。
そう考え訊くと、また興味が湧いてくる。
という私の独断ジャズ鑑賞である。

色々な意味で良いアルバムである。
欧米で1500ユーロも普通に超える、良いセブン・インチである。

パナマ帽
2015/06/13

丁度昨年の今頃、銀座トラヤの帽子屋で、パナマ帽(ストローハット)を買った。
以前はボルサリーノ等の高額ではないが、それなりにブランド品を購入していたが、最近の夏の暑さは異常で、頭にも汗がダラダラと流れ、手入れも追いつかず、帯の所は潮を吹いてしまったりして、一年・ひと夏しか持たない。
それでこれは敵わんと、しかも、年寄でもおかしくなくて、デザインもそれなりで紳士で男らしい物を探したらトラヤの帽子に行きついた。
トラヤも2万円くらいの物も、一応パナマである。
それだけでなく、トラヤのは日本人の頭の型で作られているので、ボルサリーノなどの外国製より被りやすい。
それは有り難い。

それで、丁寧に被る様に心掛けて、小まめに汗を取ったり拭いたりしていたら、もうひと夏は持ちそうである。

「コピ・ルアク」というコーヒー
2015/06/12

「コピ・ルアク」というコーヒーの豆。

「コピ・ルアク」というコーヒーは、只のコーヒーではない。
インドネシアやフィリピンで、生息している野生のジャコウネコが熟した豆を食べ、その排泄物を拾い集め、洗って乾燥させたものである。
スマトラ島やジャワ島、またフィリピン各島などに見られるのだが、要はジャコウ猫の生息地である。

なぜこうなったかというと、その地方で熟した果実、すなわち赤くなった豆は野生のジャコウ猫が餌として食べてしまう。
果肉は彼らの栄養となるのだが、種子すなわちコーヒー豆は消化されることなく、排泄される。
現地の農民たちが糞を拾い集め、洗浄し、コーヒーを取り出しそれを乾燥させて飲んでいたのだ。
それは当時、農民が商品に手を付ける訳には行かなかったからで、余りに沢山の猫の糞があった事から手を出したものらしい。
それを農場主などが「一体お前たちは、何を飲んでいるのかと思えば、そういう事か」と一杯飲んでみたら、「あらまあ、これは美味しいじゃないか」と。
なにより薫りが抜群だと。
それもそのはず、ジャコウネコからは「香水」の元になる成分が取れる事もあり、糞から香水の元の成分を採取する事もあるらしいのだ。
猫の消化の過程において自然の薫り付けが行われるいう、驚異の天然のフレーバ・コーヒーなのである。

という事であれば、だれでも拾うのは当たり前で、このコーヒーは最初に目を付けた業者がモナコなどに販売していたので、そちら方面のセレブに売られていたというのだ。
最近は高価な事に気が付いたインドネシアやフィリピンの政府が、生豆を売る頃を禁止し、現地でローストして販売するようになってしまった。
従って完成品はネットでも入手は可能であるが、その道の「通」としては、当然「生豆」が良い。

近年は、それに目を付けて、猫を狩り集めて飼育し、それにコーヒーを食べさせる業者が一般的だという。
猫に食べさせる餌が、パイナップルとか他の様々な高級フルーツを与えている場合は、もっと薫りが芳醇だというが、最近の業者はコストの事ばかりを考えていて、経費が勿体ないと見え、バナナばかり食べさせている、そういう農場では薫りは大した事が無いようだ。
また最近はさらに上がいて、豆に薫りを付けただけの物などが売られているそうだ。
当然、そうであろう。
ブルーマウンテンは現地の生産量の百倍売られているそうだし、ダージリンの今日茶は生産量の100倍がダージリンとして売られているというから、まあ、趣向品という物はそういう事である。

新宿の小田急百貨店の喫茶店に張り紙があって、「一杯 3,000円」と書かれていた。
訊くと、一週間に一人くらいの割合でご注文される方がいるそうだ。

味の事であるが。
今回のはジャワ産のロブスター。
ロブスターは少々酸味があるのだが、それに加えて確かに変わった薫りがあって、中々の美味である。
味よりも薫りを楽しむ事である。
濃い目にトロッと入れ、何とかいうリキュールと、砂糖を多めに入れると良いそうだ。


ネコの写真、ネットから拾う。
結構かわいいね、
だが、本当にこんな風に木に登って食べるのだろうか?

地下鉄で
2015/06/11

地下鉄に乗って、向かいに座った女の子。
いや若い女性。
歳の頃は22、3。いや4、5、?6、とまあ、そのくらい、って幾つなんだい?
俺にも分からん。

兎に角、椅子に座って、スターバックスで買った、甘いと思われる生クリームが一杯のった飲み物、大きさは真ん中のサイズのトールサイズを片手に持って、なんと公衆の面前で、長いプラスチックのスプーンで食べている。
もし、ガタッとなったら、周囲の人に生クリームと一緒に迷惑も掛かるのではないかとハラハラ。
善人のオジサンは、向かいで何かがあったら助けようと構えていた。

子供のように無邪気に、電車に揺られながら半分程まで食べたところで、彼女は飽きたらしい。
どうするかと思っていたら、スプーンを舌でペロペロ犬のように舐めたあと、おもむろにハンドバックの中に、そのままポンと仕舞った。

ハンドバックの中は一体どうなっているのかと、想像した。
いや、汚ったねーなー。
姉ちゃんってば。

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