HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。
  
ノンフィクション 暁の宇品 | - 2023/05/26
- 暁の宇品 陸軍船舶司令官たちのヒロシマ 講談社(堀川恵子著)
最近読んだ本。
ちょっと前「チンチン電車と女学生」という本が面白くて一気に読んでしまった。それが同じ作家さんだと知って買って見たのだ。 もう一つ、義父が終戦当時、国鉄の広島鉄道局、総務部長で、原爆投下を体験しているので、その興味もあった。 当時の軍部に握られてしまった国鉄輸送の苦労の話もあったようで戦時中はもとより、終戦後の混乱の苦労も時々訊いたから。
原爆は何故広島に落とされなくてはならなかったか?という単純な問いから話は進む。 呉=広島という戦略上・日本防衛上の最重要拠点である事を明らかにする。日清・日露の時には国会が広島に移転し、天皇も来ていた事も分かる。 かく言う私の義父も仕事場のあった宇品の防空壕から「呉が爆撃されるのを見ながら暗澹たる気持ちになっていた」と語っていた事を思い出す。 その時まで、広島はほぼ無傷であったのだから、原爆投下の布石であった事が理解できる。
海軍が輸送について全く問題にしていなかったので、陸軍が海上輸送を担う事になり、宇品に船舶司令部が置かれ、陸軍軍人でありながら、船舶の神と言われる田尻中将が海上輸送の設計から上陸用舟艇の設計まで行う。 船舶輸送の重要性など興味を示さず、ひたすら戦争への道をすすむ軍部とのやり取りは息をのむ。 先の戦争物を読むたびに、馬鹿な軍部にハラワタが煮えくり返る思いであるのだが、ここでも同様の感情で読み進む。諦めの境地である、ってそれしかない。
話は原爆投下で終わるかと思えば、本は、実はそれからが俄然面白い。 原爆投下直後から広島の復旧に動いた佐伯司令官と広島の陸軍。放射能の高濃度のなか、死人の整理、怪我人の治療輸送、のみならず電気、水道の復旧、道路・電車・線路の復旧、はては各家ごとの郵便ポストの設置まで八面六臂の大活躍。 それが、なぜかと追跡すると、関東大震災時の復旧で働いた当時の陸軍にいて作業を経験したのであった。 関東大震災と言えば、今では朝鮮人を殺した事ばかりあげつらう本や報道が多く、その事ばかり目立ってしまいがちだ。 しかし私はその時の復旧にもっと注目してほしいと思っていたのだが、ここではきちんと評価をしている。 現在においても、震災時における自衛隊の働きも、なんど続く災害などがあって、その復旧作業でテレビでもようやく画面に映る様になり、本当にやっと認められるようになった。 関東大震災と原爆投下後救助の意外なつながりに言及したあたり流石に力のある作家さんである。
とても面白いだけでなく、戦争の一面を抉り捉えたノンフィクションであった。
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世田谷区にある豪徳寺の本屋 | - 2023/05/22
- 世田谷区の豪徳寺にある「七月堂」という本屋。
詩の本が沢山あって、ちょっと通好みの本を扱っていて、出版もしているようだ。 新本のみならず古本も同居している、近くに住んでいたら、ちょこちょこ通ってしまいそうな店である。本好きにはたまらない。
ここの軒先で今日まで、下高井戸のカフェ2−3が移動カフェを開いているというので出かけてみた。
美味しいコーヒーとマフィンをいただき、気に入った2・3冊も買え、その場で出会った見知らぬ人とお話もし、なかなか楽しい本屋とコーヒーの旅であった。
帰りに豪徳寺に寄って、名物である招き猫がずらっと並んでいる様子を眺め、境内を散策した。参拝客はそこそこの数がいたが、すべて中国からの観光客ばかり、ここが日本とも思えぬ雰囲気になっていた。
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湿布薬 | - 2023/05/21
- 骨粗鬆症と診断され約四か月間、自宅で週二回注射をしていたのだが、検査の結果骨密度が70%に回復していた。
では注射より楽な飲み薬にしますか、と先生に言われ週に一度飲むだけで良いと言われるフォサマックという薬を処方された。 そして木曜の朝飲んだのはいいのだが、その日の夕方から胸と背中が痛くなって、そのまま翌日も寝込んだ。土曜日に主治医の出番があるので診察を受ける。
レントゲンなど数枚撮って検査しても悪いところはないと。 では副作用ですかね。副作用による筋肉痛かもしれないという事になった。
次回、再び同じ症状になったら、間違いなく副作用ですね、と私も実験する意欲満々になって帰ってきた。 湿布を貼って、休んでいてくださいね、という優しい声を背中に聞きながら。
さて、家に帰り医療箱にあった湿布を貼ってもらったのだが、翌日起きた時の、効き目のなんか充実感がない。
昨夜、家内に貼ってもらう時にビニールも固まっていて剥がれにくかったし、スーッとする感じもなかったのでオカシイと思った。 今朝、湿布薬の箱を手に取って、裏を見入ると、期限が1996年になっていた。
チックショウ!
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ドーナツ | - 2023/05/20
- ここのところ、また甘いものを食べている。午後になると山下達郎のドーナツソングが脳裏を巡る。
きみと食べたいなドーナツ♪。 私の血糖値が下がったから、ドーナッツ♪。 少しくらいならいいだろう、ドーナツ♪
とかってに歌をこしらえて、ドーナツを買ってくるようになったのだ。 ドーナツ一個食べるのだが、もう一個は一生懸命我慢する。 すると、なぜか、更に他の何かが欲しくなって下のコンビニでチョコを買ったりしてしまう。だったらドーナツ二個でもよさそうだな。
それで、これではいけないとネットで調べていたら、血糖値が上がりにくい糖なるものを売られていた。 どこかの大学が作り出したもので、希少糖という天然由来の甘味であるらしい。 従来ある合成甘味料=ダイエット・シュガーとは異なるらしく、あれは基本的に発がん物質があるらしいから。それに甘さより苦味など変な味もするから。
今はまだ店頭にはなく、ネットのみの販売だというので、早速アマゾンで注文してみた。 血糖値が上がるか下がるかは測定していないので、分からない。 朝食など砂糖を使っていたものの代わりにしている。 さて、どうなるか? しかし、ちょっと引っかかる所もあって、結局甘い物を口にしているわけで、そうすると、私の脳の中で、ならばもっと甘い物が食べたくなるのである。 普通、それを世の中では中毒と言うのだが、甘味中毒は実にたちが悪い。
甘味は甘党のみならず、実はビール党も同様である。 クワバラ、クワバラ。
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レコードの事 | - 2023/05/19
- 私は毎日店でレコードを売ったり、こうして日記に書いたりしている。
特にジャズのレコードを紹介している。 だが、現在のCDで聴くジャズ等は紹介する事はない。 過去の作品について揃え、紹介しているだけである。 新しい音楽は、私がやる必要はない、世の中の多くの評論家と名乗る人たちがこれでもかと本、ネットで書き連ねているし、アマチュアのマニアも同様である。 この世はプロが沢山いる。
大切な事だが、レコード以外の媒体について人それぞれに楽しめば良いと思っているし、否定しているわけでは無い。 むしろ、最近の人の方がレコードマニアを否定している事の方が多い。 ま、それも人生好き不好き、単に私がレコードを愛しているだけである。
私の仕事は、1950年代などの過去の音楽を記録したものを見つけ出す事でもある。 終わった音楽を見つけ出す。 終わってしまったけれど、どこか現在の音楽の基礎になっているもの。 私はジャズのレコードだけの骨董屋。 私は時間を遡る。
レコードが作られた時の様々な状況、ジャズメンだけでなく、あの時の企業の状況、社会情勢も考え、残せたらいいなあ。
私はジャズのレコードのジャパニーズ・サンドマン(日本人の骨董屋)。
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Herb Ellis “ Ellis In Wonderland” | - 2023/05/18
- Herb Ellis “ Ellis In Wonderland” Norgran MG N-1081 (USA)
ハーブ・エリスの名前が日本で、それなりに耳にするようになったのは、70年代にコンコルド・レーベルから、かなりの数のアルバムが発売されたからである。 しかも、コンコルドの1番から3番まで、彼の名前が頭に持って来ると言う破格の扱いであった。 ちょっと中間派のジャズであって、それで当時ジャズ・ファンにはかなり人気になった。 そこから、過去に遡ってVerve系のアルバムもちょこちょこ聴く人が現れた、と言っても嘘ではない。
と思いながら、この作品を聴けば、かなりの水準にある音楽性になるほどと納得させられる。 当アルバムは彼の初リーダーであるが、初にしては年齢的には35歳、というかなりの晩生でもあるが、何しろスタジオ・ミュージシャンとしても、かなりの腕前であったので、それほどリーダー作に拘らなかったのだろう。しかし、ノーマン・グランツには気に入られていたようで、以後一・二年毎に吹込みがされているのが興味深い。 有名な所ではNothing but the blues(Verve)になるが、こちらの初リーダー作は新鮮味と、初録音と言う張り切った事が大きな長所になった。
Harry Edison(tp)と Jimmy Guiffre(cl,sax)と言うスイングとクール・スイングの管楽器の素敵な取り合わせにも感心する。 Ray Brownのベースがしっかりと低音部を支え、腰の据わったジャズにしている。 豪華なバックがいる事も素晴らしいのだが、何より、ムードのあるギターの音色が素敵である。 この録音のギターの音色も完璧である。
そういえばタイトルは、本のAlice in wonderlandをモジったものだが、他にも同様なレコードがあって、スエーデンのアリス・バブスのレコードに、Alice and wonderband,というのもある、出来が良いので是非聴かれる事をお勧めする。 レコード各社、タイトルの命名には苦労していた事が偲ばれる。いや、安易か?
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Gulf Coast Jazz " Wade In The Water" | - 2023/05/17
- Gulf Coast Jazz (The American Jazz Quintet) Wade In The Water
Famous Enterprises F-510 (USA)
ちょっと面白いアルバムを見つけてしまった。 ジャケットにはメンツも書かれていない、バンド名の所にはGulf Coast Jazzとしかなっていない。 だが、ネットにはなぜか、February 23, 1959という録音日もあれば、メンツも出て来る。 Bass, Richard Payne Clarinet, Alvin Batiste Drums, Ed Blackwell Piano, Ellis Marsalis ts, Harold Battiste 全員ニューオーリンズの出身であり、有名な所ではエド・ブラックウエルがいる、更にエリス・マルサリス、これはウイントン・マルサリスの御父上ではないか。凄いぞ。
アルバムの音楽の説明には、ガルフ・コーストすなわち、メキシコ湾岸のジャズであると、という事で、ゴスペル、ブルース、ジャズが混在していると。
アルバム・タイトルはWade in the water、訳すと「水の中を歩け」。 これは地下鉄道の話で決まりでしょ。 調べると、出て来る、出て来る。 ゴスペルにこのタイトルの曲があって、 Wade in the water, Wade in the water children, Wade in the water, God's gonna trouble the water, See dat band all dressed in white, God's a-goin' to trouble de water, De leader looks like de Israelite, God's a-goin' to trouble de water, 水の中を行け、子供達よ 水の中を行け、神様が水を乱してくれる 白い服の人々をご覧、神様が水を乱してくれる あの指導者はイスラエルの人、神様が水で分からなくしてくれる
と言うような意味かね。 黒人奴隷が逃亡する時には、追跡犬に匂いを悟られないように、川の中を歩けと言う事である。 ジャケットは女の子が海辺を歩いているだけの写真だが、実は内容は黒人奴隷が逃げるための逃亡支援活動すなわち地下鉄道を称えたものである。 しかし、当時はまだ1959年黒人の人権など皆無だった時であり、相当の覚悟が無ければ製作など出来ない。 故にメンバーの記載もせず、しかも、録音はニューオリンズだが、リリースは西海岸という念の入れようという具合であった。
内容は確かに色々な味わいがミックスされた、中々良いジャズである。 お父さんのピアノも上手い。
そう言えば、この曲は後にラムゼイ・ルイスも演っていて、ノリの良い演奏になっている。聞き比べると面白い。
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母の日 | - 2023/05/14
- テレビで母の日のプレゼント、もらってうれしいか?
という調査で、「何もいらない」が一位だったそうだ。 さもありなん。
我が家の家内も、同様な事を申して居る。 所が、夕方長男の嫁さんから花束が届いた。そのとたん満面の笑顔。 実に嬉しそうに、花瓶を出してきて、どっちの花瓶が良いかとか、花の高さがどうとか、それは嬉しそうであった。 女の本音。
今日は一日機嫌がよくて、私もありがたい。 頂いてよかった。 そうでないと、私が買いに行こうと思っていた所であった。
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喫茶店ルノアール | - 2023/05/10
- 当店の裏側の方にある、喫茶店のルノアールが閉店した。
連休に店に伺ったら、お姉さんが「今までご利用ありがとうございました。日曜日で閉店となります」との事。 それで、最終日に行くことにして夜、閉店間際に行った。
思えば、私がここで店を開いて以来、何かにつけてお茶をしに行っていたので、なんだか寂しい。 うちのカミさんは「え、私が一人で行けるたった一つの喫茶店なのに、これから行くところがない」と訴えていた。
閉店というのは本当に寂しいものだ。
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大リーグ | - 2023/05/09
- 知り合いが、連休中アメリカ西海岸に旅行に行き、ついでの大谷翔平選手の試合を見てきたと興奮していた。
その話で、「それにしてもあちらの野球の守備はとてもお粗末だった」 ということであった。
以前、張本氏が番組の中で、あっちの選手は下手だとよく言っていたのだが、そんなものか?。 なるほどね。
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