PINK FLOYD 狂気 | - 2022/02/11
- PINK FLOYD 狂気 Harvest SHVL 804 (UK)
雪が降って路面が凍ってしまった事を理由に、仕事を休んでしまったので、音楽を聴いていたのだが、ちょっと書いておこう。 私の宝物の一枚である、英国盤で大きなポスターが六つ折で2枚入っている。
この作品は、面白い展開でいきなり心臓の鼓動らしい音で始まる。人の叫びやらヘリコプターの音が入ってやっと音楽が始まる。 音楽は非常に瞑想的な側面を持っている。
私が、かつて旅行会社勤務していた時、ハワイに行き現地社員と話をしていると、皆盛んにピンク・フロイドを聴いたかと言う。ピンク・フロイドすなわち邦題で「狂気」の事である。 要は、クスリと相性が抜群だと。 特に当時LSD全盛だったので、トリップするのだと。 別にコカインでも良いし、ハッパでも良いという。 一緒にやろうと誘われたのであった。 今まで世界で5000万枚売ったというこのアルバムはクスリとのカプリングで売り上げを伸ばした事は、ほぼ間違いなさそうである。
音楽は様々な音との意表を突く組み合わせであって、瞑想的な音楽とありふれた日常の音との交互に出てくる「妙」に対する感動である。 ジャケット・デザインは左から当たった細い光がプリズムを通し、分解されレインボーとなって右側に去る。 ジャケット、ダブル・ジャケであるにも関わらず裏も表も一切記載が無く、シンプルこそわが音楽と主張し、光の流れがいかにも宗教的である。
何よりも、この作品は「音楽とは音である」という主張に他ならない。 音楽とは音に決まっているのだが、実はそうでもない。 しかし、ここでは徹底的な「音」を追及した事による、「社会にありふれた音」=レジ、時計の音、など等の音質と音色が出来を決定した。 宗教になろうが、クスリになろうが、すべては聴く者に委ねられる。 だれがどう聴こうと、これは音楽とは音であり、すべての音は音楽である、という宣言であり、絶望的なる音楽の革命であった。
いや、久しぶりに聴いて、改めてこの作品の音の作りの宗教的とも言える感動的な素晴らしさと、面白さに酔った。
因みに、私はクスリはやっていない。念のため。
(なぜか,どう直しても、写真が横になってしまう、なぜだろう.... と思っていたのだが、一日経って直ったか?)
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