HANK MOBLEY “PECKIN’ TIME" | - 2022/01/21
- HANK MOBLEY “PECKIN'TIME” BLUE NOTE 1574 (USA)
かつて、私もブルーノート・レコードの原盤を探し始めていた1975年頃でも、大変なレア盤であった。 この作品が録音されたのは1958年。考えてみれば作られた当時からまだ20年も経っていないのである。 それでも入手困難とは一体どれほど球数の少なさであったのであろうか。 コレクターは皆一生懸命に探していたんだ。 その後、レコード屋になってアメリカに行ったとき、現地のレコード屋に「そもそもブルーノートのレコードなど売った事もなければ、見たことも無いのだ」と言われて成程と納得したのである。
それで、このペッキン・タイム。 ハンク・モブレイとリー・モーガンのコンビによるクインテット。 二人はハードバップの申し子、聴けば50年代のジャズの煌びやかでマッシブな音楽が響き渡る。 しかも、ちょっと暗さを含んだサウンドでもある。 裏のアイラ・ギトラーのライナーにペッキン・タイムは バップの40年代後半を思い出させると書かれている。 Be-Bopの歴史を忘れない好演奏である。
ジャケットを見れば、写真は真っ赤なレコード・バックである。 ちょっと汚れが付いていて、持ち主が使い込んでいてさぞレコードを聴いて来たであろうことが想像できる。 レコード好きからのリスナーへのプレゼントとでも言おうか。 カバンの上に斜めに「Master Record. Handle with care」と二段書きにされて、大事に扱えと忠告している。 本当に、大切に扱ってほしい原盤なのである。 なぜならモブレイのレコードは何かが違うのである。
昔は、私もリー・モーガンの風情のあるトランペットが聴けるSpeak Lowなど、よく聴いた。
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