HAL'S DIARY
オーナーのひとりごと。買付けの裏日記など。
きまぐれに更新しています。
  
SING SING SING の話の続き | - 2021/06/05
- SING SING SING の続き
前日 私が家に帰ってこの曲を聴いたものの深夜でもあり、音量も上げられず満足出来なかった、それで今日の出勤前に再度聴いたのである。 大音量で。いやいや、ぶったまげた!凄い演奏であった。
英文のライナーには詳細な記載があるが、あまり英語の理解力があるとも言えない我が身を嘆きながら、少々記してみる。 1938年1月16日、クラシックの殿堂カーネギーホールでついにジャズ・コンサートは行われた。 チケットはとうに売り切れであったが、残りのチケットを求め非常に寒い日であったにもかかわらず、居ても立っても居られないファンが詰めかけた。 主催者側も苦慮しステージの端の方に椅子をセットする等し、すこしでも客を入れる努力をした。
さて、コンサート開催にあたってグッドマンも力を入れており、同業者すなわちカウント・ベイシーとデューク・エリントン楽団にも出演を依頼した。 ベイシーは参加したが、エリントンは断った、それは自分がこの後出演する野望があったからである。 しかし、メンバーのジョニー・ホッジス、ハリー・カーネイ、クーティ・ウイリアムスを貸したのである。 彼らの演奏の素晴らしさはしっかり聴くことが出来る。 オジサンはどの演奏を聴いても感動するので一々書くことは止める。 ただ一つの例外SING SING SINGの話だけは書こう。
この曲はドラムのタンタンタタン、の迫力は既に述べた。しかし、演奏中ちょっと面白い事が起きている。 演奏が長い事も既に書いた。しかし、長すぎる。 もう終わりという雰囲気が2度ある、一度目はまだ始まったばかりであり、ソロ廻しが一通り終わったので、拍手をいただいたので、ちょっと静かさが一瞬あるだけで、これは 当然演奏は続くものであると感じる、またはSPレコードの面を変えるための空白かもしれぬ。 実際この演奏は50年になってから録音したものが見つかったので,原盤としてはSPはない。 しかし、終わりに近づく時があって、終わりだなあと思った瞬間ジェス・ステイシーのピアノがここから満を持したように始まる。 すると観客がどよめく。 解説を読んで分かったのだが、グッドマンもエンディングに持って行ったらしいのだが、ジェス・ステイシーの意志で突然ソロが始まり、グッドマンがエンディングの挨拶のマイクを取ろうとした瞬間であったので、驚いたグッドマンを見た観衆が笑ったのだという。 それで、俄然ハッスルした演奏がまたもや始まったというのだ。 いやいや、ロックのライブでクスリが聴いているギターリストが乗りが過ぎてエンディングに出来ず、またチャッ・チャッ・チャと始まってしまう感じと同じと言えば同じであって、観客に取って最高のプレゼントであることは間違いない。
こんなコンサートに行った人たちが羨ましい。 レコードは、“CARNEGIE HALL” COLUMBIA SL -160 という2枚組のボックスセットである。 綺麗な物があったら私も欲しい。
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sings sing sing | - 2021/06/03
- 帰宅の運転中、カーラジオから聞こえて来たのは、ベニー・グッドマンのSING SING SING。
思わず手が伸びてしまうボリュームのツマミ。大音量で聴くとちょっと不良になった気持ち。
この曲の演奏時間は結構長い、首都高3号線から東名高速を相当な距離を走っている間、ずーっと聴けた。 いや、良い音楽だった。 ドラムのソロから始まる、タンタンタタンタ タタンタタンタン(合ってるのかな?)、ジーンクルーパのドラム、これで一篇に心を掴まえられる。 そこからタッツータ、タッツータとトロンボーンが実にカッコ良い。 それからクラリネットが入ったりして、一通りソロ廻しをして、途中で終わったかのようになって、客の拍手も入り、そこから又続きが行われる。 私も一緒になって歌う「シング、シング、シング、シング、エッブリバディー、シング、シング....」。 店主もノリノリ! 38年のカーネギー・ホールの演奏であった。 こういう演奏は時代を越えて無条件に感動する。
帰宅後、矢も楯もたまらずカーネギー・ホールのレコードを引っ張り出し何年かぶりに聴いた。寝ていた猫が起き出して、うるさいと鳴いている。 猫よ許せ!オレは 今夜は30年代の狂乱のスイング・ジャズに狂ったのだ。
夜も遅いので、大音量に出来ないのが残念であった。
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更衣 | - 2021/06/02
- 暑かったと思えば、また寒くなりを繰り返し、長袖も手放せない。
そうは言えども、徐々に夏は近づく。
更衣 ホワイトジーンズ アイスコーヒー 生ビール ジャズはパットメセニーに 更衣
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神は風のごとく | - 2021/05/28
- CSテレビの映画を何となく見ていたら「風を捕まえた少年」というアフリカが舞台の映画をやっていた。
貧しい少年が学校の図書館の本や雑誌を頼りに風車を作り、ポンプで水をくみ上げると言う快挙を成し遂げ、乾季にもトウモロコシを作れるようになったという中々感動させる話。 終わりに「神は風のごとく、すべてのものに触れる」と出た。
良い言葉だねえ。 間違いない。オジサンは全くその通りだと思った。
神は平等に人に接してくれる、風のように。 但し、風に触れたくない者は家に閉じもり、風に当たらない人生を選んでいる訳だ。
一方 風に吹かれる方と言えば、こんな考えもある。 気に入らぬ 風もあろうに 柳かな (仙香j
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映画 おとうと | - 2021/05/26
- YOUTUBEで、映画「おとうと」が見つかった。
ちょうど見始めた時に、仕事が入り一旦止め、私のお気に入りに入れておいた。 さて、翌日続きを見るぞー!、と勇んで画面を開けると「動画を再生できません」だと、消されてしまったんだね。 ああ、昨日の内に見ておけばよかった。 これだからYOUTUBEは嫌だ。
映画「おとうと」を見たかった。 幸田文の小説を映画化したもので、今までに3回ほども映画化された名作。 特に最初の岸惠子と川口浩と田中絹代が出ていたのは、昔々に一度見ただけなので、記憶も曖昧になってしまっているので、是非見たかった。
ま、只で見ようとしている訳だから文句は言えない、仕方がない。
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ジャズには煙草が良く似合う | - 2021/05/22
- 最近は増々、タバコが嫌われているようで、ここのビルでも遂にある住民から建物内いっさい禁煙を理事会の議題にしてくれという要望があった。
私は、今は煙草を吸わなくなったのだが何故か煙草の煙が好きで、つい吸う人を援護したくなる。 なにより、ジャズには煙草の匂いが良く似合う。 煙草無くして何がジャズか? という雰囲気を強く感じてしまうのである。
であるから、我が店の目の前には煙草吸引コーナーが設置してあるのだ。 レコードを購入後はゆっくり吸って行かれて下され。
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コロナのワクチン | - 2021/05/20
- 私ももうすぐ75歳になってしまうので、コロナのワクチン接種が近い。
だが、本当は若い人から打ってもらった方が良いと思うのは私だけ? 電車で通勤している若者とか、盛り場で飲み歩いている若者とか... 新宿の歌舞伎町には接種カーなるものを出動させ、ふらふらしている不良外人やら若者を掴まえて、ハイ接種よ!とチクッとやると良いんじゃないか?
だいたい、年寄りは家でじっとしている人が多いのだから、後で良いんじゃないか?
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コロナウイルスのワクチン | - 2021/05/19
- ニュースで盛んにコロナ・ワクチンの裏口接種がケシカランと大騒ぎ。
やれ町長が先に打ってしまったとか、どこかの社長が市民より先に打ったとか、 フェアではないと大騒ぎ。
私は大いに良いと思うのだが、市長や町長が先に打った方が良いんじゃないか。 経営者も会社の経営責任があるのだから先に打ってもらっても良いんじゃない?
余らせて破棄するより良いんじゃない? そうだ、本日のキャンセル待ちというのも作ったらどうかね。
もう一つ、金を払っても打ちたい人優先とか、100万円とか10万とか設定したらどうかね。 国も沢山払ったお金を回収しないと....
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HOWARD McGHEE “DUSTY BLUE” | - 2021/05/17
- HOWARD McGHEE “DUSTY BLUE” BETHLEHEM BCP/BS-6055 (USA)
今回はステレオ盤であるが、言って見れば非常に出会いの少ないアルバムであり、しかも音質も上々なので決して、ひるむ必要はない、ステレオ盤はなぜか録音も上等なのである。 ジャケットの番号はモノと同様BCPとなっているのだが上部にSTEREOと記載されている、ラベルの方はBSと変えてあり青ラベルである。 当時は、ステレオとモノの扱い方が各社ちょっとづつ異なっているのが興味深い。 例えば最も過激な例ではContemporary社のようにわざわざStereo Recordsという別レーベルを立上げた所もある。モトエ
作品のこと。 この作品ほど、心にす−っと溶け込んでくるアルバムも他にあるまい。 彼のトランペットの音色は聴き易いのです−っと入ってくる、だが、聴き易い音楽は他にいくらでもある。 しかし彼のように、この人は人間も良い人だなあと、身体の中に点滴のように落ちて来て、心休まる音楽はそうそうない。しかも、ミュートを付けた時のサウンドも、ミュートを付けたぞ!という感じを抑えて聴こえるのも素敵である。 もっとも、最初からミュートを付けたかのような優しい音なのだが。
このジャケットを眺めていると、ちょっとジャズのジャケットらしくもないと思えないわけではない。 お洒落なのが珍しい、と言えば珍しい。 髪の毛は伸ばすようにキチっと整えている。 お洒落はヘアスタイルからという通りであり、きっとグリスのビンが5・6個も家にあったのではないか。 彼が如何にヒップなジャズメンであったか良く分かる。 スーツはやや細身で深い紺系、ネクタイも青い色のやや地味目できちっと結んでいる。 なるほどタイトル通り「ダスティー・ブルー」という渋い色合いなのだ。 「くすんだ青」という色合いをイメージにしたサウンドの風情が言いようのない素晴らしさ。
ハワード・マギーは昔からジャズ・ツウには人気のミュージシャン。 ジャズ初心者から聴き込んで行き、ようやく突き当たるジャズだった。 当然、原盤の出番という所であった。
どの作品を聴いても引き込まれてしまう良いアルバムだが、ここでも、心が休まるような名人芸が聴ける。 演奏はしつこくなく、サラっとした淡泊な味わいで、人生を達観したような感じが伝わる名人芸が嬉しい。 端的に言えば、ムーディーな夜の音楽としても、これは超一流の出来である。
(売れてしまいました。)
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映画 東大全共闘と三島由紀夫 | - 2021/05/16
- 最近の新しい映画なのに、たまたまテレビを付けたら、NHK-BSで映画をやっていた。
まさか こんな話が映画になるとは、歴史の中に埋もれてしまった方が良いような話なのに、こんな話で今の世の中の人は面白がるような映画なのか、と感心しながらみた。 当時、体制しかもその中心に最も近い学生たちに一体何が不満があるのか理解するのが困難な彼らの学生運動であった。私などバカらしくて気が抜けたのであった。
個人的には、映画の中に芥正彦さんが出て来たので大変うれしかった。 彼は途中で「退屈だから、オレ帰るわ。ごめんね」と帰ってしまい、三島も笑って送っている人である。 しかし、その後、三島からなんどか誘われて、お前が一番面白かったと、よく一緒に飲んだりしたらしい。
かつてちょっと知合いだったので、よく顔を合わせて話などした。 しかし、映画の中で73歳になったというが、今の方が若々しく彫が深く素敵な顔立ちに、何だかびっくりした。 元気でいたんだという感慨深いものがあった。 合う事もないでしょうが、お互い元気でいましょう!
そうそう映画、解説は要らないね。 当事者だけの話だったら面白かったのに。
それより芥さんが、ピースを二箱持っていき、三島が4箱持っていったけど、相手のものまで吸ってしまったと、そう言えば二人共、しきりと煙草を吸っているのが面白かった。
壇上でも、画面の中でも たくさん煙草を吸っていられて良い時代だった。
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